
2023年09月19日再掲載 タイトル : 再掲載しました。(タイトル変更なし)
昨日のアクセス解析を見ると最新の記事「家(実家)で最初に飼ったワンコ ジョン」の次に多かったのが、6年前の過去記事「スパイラルロッドの取り付け工事 50万V送電線」でした。数年前の過去記事のアクセス数が多いのは珍しいことなので、それを機会に再掲載させていただきました。
2023年9月19日 閲覧数:11,699 nice!:141 CMT:10 再掲載時
2023年9月20日 閲覧数:11,873 nice!:175 CMT:22
2023年9月21日 閲覧数:11,986 nice!:191 CMT:32
2023年9月22日 閲覧数:12,106 nice!:203 CMT:38
2023年9月23日 閲覧数:12,221 nice!:209 CMT:40
2023年9月28日 閲覧数:12,447 nice!:224 CMT:42
2024年8月03日 閲覧数:13,532 nice!:228 CMT:44
2017年10月18日掲載
タイトル : スパイラルロッドの取り付け工事 50万V送電線
中途半端に終わらせたくなくて、長く中断していた「送電線取替工事に関する記事の掲載」を再開いたしました。先ずはプレーボタン( ► )をクリックしてみてください。送電線にスパイラルロッドを巻き付けているところです。東京電力の房総線で送電線の取替工事が2016年12月中頃から2017年3月23日まで行われていました。この間の工事は房総線全長約40km(房総変電所から新京葉変電所)の約10%にあたる4.1㎞の送電線でした。今までに送電線に関する記事を書いてきて2017年5月10日に5つ目の⑭の「4導体用スペーサーの取付工事(⑯の点検を含む)」の記事を掲載したところで中断していました。時間が経ちましたが送電線の取替工事の紹介を再開したいと思います。今回は⑮のスパイラルロッドの取付工事の紹介です。上の動画がスパイラルロッドの取付を行っているところです。袋をさげた人の左側がスパイラルロッドを取り付ける前で、右側が取り付けた後です。ちなみに世界一高い送電塔は高さ380mで、中国浙江省舟山市にある舟山島送電線で島と島を渡すため径間長は2700mの送電鉄塔だそうです。
下記のリストが送電線の取替工事の手順です。赤色以外の①~⑰の着色丸数字をクリックするとその作業の記事を表示します。
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① スパイラルロッドの取外し
② 4導体用スペーサーの取外し
③ ジャンパ線取外し & 碍子の取替
④ 滑車の取付
⑤ 2本送電線の連続化

⑦ 4本の送電線の内2本の新旧交換
⑧ 2本送電線の連続化 ⑤と同じ
⑨ 滑車への送電線かけ換え ⑥と同じ
⑩ 4本の送電線の内2本の新旧交換
⑪ 吊り下げ金具の取外し

⑬ 滑車の取外し
⑭ 4導体用スペーサーの取付
⑮ スパイラルロッドの取付
⑯ 点検(スパイラルロッドとスペーサー)
⑰ ジャンパ線の設置(プレハブジャンパ)
スパイラルロットを移動しながら取り付けていきます。時間を短縮するために36倍速にした動画を紹介します。着色文字をクリックするとオリジナのスピードと6倍速の動画も別画面で見ることが出来ます。
別画面で表示 → オリジナル(16分7秒) 6倍速(2分41秒) 36倍速(26秒)


スパイラルロットの構造が分かるようにスペーサーのあたりを拡大いたしました。黄色の円で囲った部分を見るとわかるように電線に巻き付けられているスパイラルロッドは1本ではなく4本だったのです。
スパイラルロッドの取り外しや取り付けは大変な作業であることから、それを取り付けなければならない大きな理由があることを感じました。

スパイラルロッドを取り付ける目的(理由)を検索すると風切り音の防止と着雪防止が出てきます。我々のあたりは豪雪地帯でもなく雪が降るのは稀なことです。偶然ですが工事中にスパイラルロッドが取り付けられていない時に強風(春一番)が吹いたことがありました。その時の動画が下記ですが今までに聞いたことが無いほどの大きな風切り音がしたのです。我々の住んでいる地域は住宅地のために、ここでは風切り音を防止することがスパイラルロッドの最大の目的のように感じました。強風時に電線から発生する風切り音(電線風音)の防止対策として,1973年から既設の電線にスパイラルロッド(弦巻素線)を巻きつける方法が適用されてきたそう

1987年には右の写真のような電線自体に突起を設けた低風音電線が実用化されましたが、今回の取替工事では、工事の手間のかかるスパイラルロッドを後から巻く方法が採用されたのにはそれなりの理由があるのだと思います。
プレーボタン( ► )をクリックすると大きな「送電線の風切り音」以外に「カメラにあたる風の音」と「送電線同士の接触音」さらに2分13秒ごろからは「下校時の子供たちの声」も聞こえます。
こちらがスパイラルロッドを巻き付けている時の静止画(写真)ですが、完成した写真に比べるとスパイラルロッドの目立ち方が少ないように感じました。

上の写真を拡大して見ると巻かれているスパイラルロッドは2本でした。

この写真でも2本づつ巻いていることが分かると思います。どうやら4本同時には巻けないようです。つまり同じ作業を2度繰り返して4本にしていたことが分かりました。スパイラルロッドを巻き付ける作業は大変な作業であることをあらためて知りました。

上の写真はクリックすると拡大しますがクリックが面倒な方のために拡大写真を掲載しました。この写真をクリックすると広い範囲を表示します。

今回の東京電力の房総線での送電線の交換は下記の地図の24鉄塔から32鉄塔までの3770m(━━)が対象でした。その中で高さ121mの最も高い27鉄塔でのスパイラルロッド取付工事開始の様子を紹介いたします。右の小さな2枚の写真は新しいケーブルを送り出す24鉄塔(








━━ 送電線一括交換部分 3770m 房総線鉄塔の高さデーター → ポチッ
その27鉄塔(121m)で袋に入ったスパイラルロッドを引き上げているところです。地上に設置されたウインチで引き上げていました。スパイラルロッドを引き上げが行われていた27鉄塔の脚元(足元)にはKELユーカリが丘(千葉県佐倉市ユーカリが丘5丁目3-1)のフットサル・コートがあります。

写真の一番下にスパイラルロッドの入った袋がぶら下っているのが分かると思います。一番上まで引き上げているところです。この時は3段の送電線の一番上の送電線にスパイラルロッド取り付けるのです。鉄塔の高さは121mなので約100mの高さでの作業になります。下段の2段の送電線は新旧を入れ替えるための滑車が取り付けられています。この写真はクリックすると特別に大きく拡大するので、拡大写真を見ていただくと上の説明が分かりやすいと思います。

準備作業は3人で行われていました。このあと2人が左方向にスパイラルロッドの取付作業を始めました。次に右方向も作業員の方がスパイラルロッドの取付工事を始められました。この鉄塔から両方向に工事を始めたのは、一番高い鉄塔から始めると進行方向が少しでも下り方向になるためではないかと想像いたしました。地上のスペースも広かったので、それも理由かもしれません。

高さを実感していただけるでしょうか。写真で人が写っているのが、上で紹介した作業が行われていた高さ121mの27鉄塔です。手前から28鉄塔、27鉄塔、26鉄塔、25鉄塔です。実は27鉄塔と26鉄塔の間は谷になっていることから、その谷の部分の地面からは約120mの高さの作業になっているのです。

房総線の鉄塔の位置を全てプロットいた地図を紹介します。房総変電所から新京葉変電所の間が房総線です。
地図の右上のアイコンをクリックして別画面で地図を表示させると五井火力線や新京葉線などの鉄塔も表示させることが出来ます。
房総線は次のように変貌いたしました。地図画面の左上端の

房総線の沿革
1966年 63km 房総変電所~東東京変電所 500KV設計 275KV運用
1973年 84km 房総変電所~新古河変電所 500KV運用 日本初実用
1993年 40km 房総変電所~新京葉変電所 500KV運用 現在の状態






━━ 五井火力線 五井火力発電所~房総変電所
━━ 旧房総線 新京葉変電所~新野田変電所(旧・東東京変電所)
五井火力発電所から房総変電所までの鉄塔をプロットした地図→ポチッ