
兵庫県宝塚市にある実家の花の中で母が最も気に入っているのが、上の写真の沙羅双樹(シャラソウジュ、サラソウジュ)です。沙羅木(シャラノキ、サラノキ)、沙羅(シャラ、サラ)などとも呼ばれています。その沙羅双樹が2023年は6月14日に最初の花が咲きました。6月14日に咲いた花の数は3つでした。その中の1つが上の写真です。本記事に掲載している写真のほとんどはクリックすると、面積で16倍(長さで4倍)に拡大するように設定いたしました。
6月14日の2つ目がこちらの花です。沙羅双樹(サラソウジュ)は仏教の三大聖樹(三大聖木)の1つと言われています。仏教の三大聖樹は、①無憂樹(ムユウジュ)、②菩提樹(ボダイジュ)、③沙羅双樹(サラソウジュ)なのです。江戸時代中期にインド北部に生えるフタバガキ科のサラソウジュ(Shorea)に似ているとされ、仏教の聖樹である沙羅双樹(サラソウジュ)をナツツバキにあてるようにり、今も仏教の聖樹とされているようです。


①無憂樹 :釈迦が生まれた所にあった木
②菩提樹 :釈迦が悟りを開いた所にあった木
③沙羅双樹:釈迦が亡くなった所にあった樹木

6月14日の3つ目は花として撮らなかったので、木を撮った写真から3つ目の花が写った部分を切り取りました。写真の中の右上の黄色の〇が点滅している部分です。沙羅双樹の花は午前中に開花し、翌朝までには落花する一日花であるのも特徴なのです。つまり、前日に咲いた花が確実に全て落ちてしまっているお昼すぎに咲いている花を数えると、その日に咲いた花の数になるので、毎日咲く花の数を確実に数えることが出来のです。

そこで毎日咲く花の数を数えてグラフにしてみました。6月14日(水)に3つの花が咲いて徐々に増えていき6月19日(月)には38つの花が付きました。6月19日がピークでされから徐々に少なくなっていって最後に花を咲かせたのが6月25日(日)でした。開花数がスムーズに変化しなかった日が2ケ所あるのは気温の変化が大きかった日と雨が降った日があることが関係していると思われます。2023年の開花総数は168でした。

2日目(6月15日 7つ開花)はまだまだ蕾が多い状態でした。

3日目(6月16日 14つ開花)は印象的に花が多くなってきた感じでした。ただしまだ部分的に花が咲いている感じでした。

4日目(6月17日 23つ開花)はさらに多くなってきた感じでした。

こちらが最も沢山の花が開花した6月19日(6日目)の沙羅双樹です。開花した数は2023年で一番多い38の開花でした。

タイトルに記載したように植物学的な正式種名はナツツバキですが、一般に流通して呼び方は沙羅双樹(サラソウジュ)なのです。沙羅双樹でYahooやGoogleで画像検索すると大半が、


被子植物 angiosperms
真正双子葉類 eudicots
コア真正双子葉類 core eudicots
キク上群 superasterids
キク類 asterids
目 ツツジ目 Ericales
科 ツバキ科 Theaceae 山茶科(中国語)
属 ナツツバキ属 Stewartia 紫茎属(中国語)
種 ナツツバキ Stewartia pseudocamellia
別名 沙羅双樹 沙羅木 沙羅
韓名 노각나무
英名 Japanese stewartia Korean stewartia

雄しべと雌しべを拡大しました。

上で紹介したように沙羅双樹の花は午前中に開花し、翌朝までには落花する一日花ですが、写真のように花全体が落ちます。

地面に落ちた花の写真です。雄しべが付いたまま地面に落ちていました。

木に残った部分です。雌しべと子房が残されています。

開花の最後の日であるの12日目(6月25日)に咲いた花も紹介します。最後に開花した3つの内の2つです。

こちらが6月25日に咲いたもう一つの花です。上の写真と合わせて最後の日は3つの花が咲きました。ナツツバキ属の日本の種としては沙羅双樹(ナツツバキ)以外にヒメシャラ(姫沙羅)とヒコサンヒメシャラ(英彦山姫沙羅)があるそうです。さらにヒメシャラの亜種としてトチュウシャラノキ(戸中沙羅の木)、ヒコサンヒメシャラの亜種としてトウゴクヒメシャラ(東国姫沙羅)もあるようです。英語版Wikipediaには、世界全体で22種が書かれていることから少なくとも22種があることになります。着色文字をクリックすると単独で登録されたWikipediaを表示します。下記のリストで北米と書かれている2種以外のほとんどは東アジア(日本,朝鮮半島,中国,ラオス,ミャンマ,タイ,ベトナム)が自生地だそうです。
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日本では上で紹介している木を多くの人がサラソウジュ(沙羅双樹)と呼んでいますが、植物学上の種名がサラソウジュ(沙羅双樹 英名:Sal tree)と呼ばれている木があります。それがWikipediaから転用させていただいた下の写真の木です。分類を比べていただければわかるように上の沙羅双樹はツツジ目に対して、本種はアオイ目であることから全く違う木です。インドから東南アジアにかけて広く分布していますが、日本の気候では育たないため、日本各地の仏教寺院の多くは、仏教聖樹(仏教聖木)として上の写真の沙羅双樹が植えられているそうです。下記の古代語とは古代インド・アーリア語に属するサンスクリット(梵: संस्कृतम् saṃskṛtam、英: Sanskrit)です。

被子植物 angiosperms
真正双子葉類 eudicots
目 アオイ目 Malvales
科 フタバガキ科 Dipterocarpaceae
属 サラノキ属 Shorea
種 サラソウジュ Shorea robusta
英名 Sal tree
インド古代語 शाल(シャーラ, śāla) 又は साल(サーラ, sāla)

ラベル:花
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統計まであって、びっくり。
驚いたことに、きれいな花の寿命が1日より少ないことでした。そのことが日本人の感性から三大聖樹の1つになった理由なのかもしれません。
我が家でも咲いています(^_^)v
ありがとうございます。yokomiさんちにも沙羅双樹があるのですね。うれしくなります。
ほんと、花の命は短いと言う言葉通りです。でもおかげで毎日咲く花の数をかぞえることが出来ました。
夏に咲くツバキかなと、種類が違いますね。
可憐な花ですね。仏典に出てくる沙羅双樹とは知りませんでした。
近所でも見られるからいらないと断りましたが、後で2本くらい
植えても良かったかなと思いました。しかし暑いですね~~(=_=)。
葉が椿に比べると薄いし、花は1日で落ちるので、椿とは別物だと感じます。沙羅双樹としての名の方が使われているようです。
いい花です。植木屋さんから何度もあげると言われたとは羨ましいです。ほんと、暑くなってきましたね。
一つの花について、これだけのボリュウムの記事をお作りになるのは流石です。
一日で花全体が落ちてしまうのは、ほんと潔い感じがします。魅力的な花で、好きな人も多いのではないでしょうか。
本当に美しいお花ですね♪
やはり沙羅双樹と言うと平家物語を思い起こします。
儚いお花だからこそ尊い感じがします。
落ちたお花を数えることは思い付きませんでした^^
本物のサラソウジュ、初めてみる事が出来ました。
淵にギザギザがある真っ白の花弁に黄色の雄しべの組み合わせが、質素なのにきれいだと思います。
一日花であるからこそ、毎日正確に咲いた花数を数えることが出来ました。お寺でも聖樹として植えられ木も、寺によってどちらかが植えられるほど浸透しているようです。平家物語の冒頭に「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。奢れる人も久からず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者も遂にはほろびぬ、偏ひとへに風の前の塵におなじ。」とあるほどですね。
沙羅双樹はお釈迦様が亡くなった所にあった木だそうです。沙羅(さら)はサンスクリット語のシャーラまたはサーラ(sala)に由来しているそうです。現代のヒンディー語ではサール(sal)だそうです。沙羅の木が2本あるいは4双8本の下でお釈迦様が亡くなったので沙羅双樹と呼ばれているようです。
物語が進んで行きますね。
あるんですが花を見るのは
初めてだと思います
奇麗な花ですね
実家に咲いていなかったら、知らなかったかもしれません。いろんなことを知る機会になりました。
初めて見ました、真っ白い花だったんですね。
見れたことに感激です!
紹介出来てよかったです。一日で散ってしまう花だからこそ選ばれたのかもしれません。
平家物語から赤い血の色を想像していましたが、清楚な白とは意外でした
有難うございました。
鎖国時代に外国からの新しい情報が入って
来たことは、開国に向かって大きな助けに
なったことと思います。。
羅双樹の花は、鎌倉(明月院)で見たことが
有ります。花びらが白く綺麗な花ですね(^^)v
800年近く前の平家物語の時代から沙羅双樹は良く知られた聖樹だったのでしょうね。驚きました。
双樹には意味があったことを今回知りました。2本あるいは4双8本の沙羅の木の下でお釈迦様が亡くなったのですね。
平家物語の時代から名前が知られているほどですね。
聖樹と呼ばれるにふさわしい木だと思います。母が気に入っているわけです。
着々と執筆が進んでいます。
白い花びらの縁がちぢれているのが綺麗ですね。
これが沙羅双樹なんだ…と長らく思ってましたが、インドのはけっこう違いますね! でも白と黄色の色合いはちょっと似てる^^
沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす、って花の色がなぜ?と思ったり。お釈迦様入滅の時の伝説があるのですね。
この花の命が短いことを昔の日本人は思ったのかもしれませんね。
あ、双樹は花の名前には含まれないのですね^^
小説を書くのは素晴らしいです。
詳しく見ていただけてうれしいです。美しい花が1日にで落ちるはかなさがインドの沙羅よりも、沙羅らしくも感じます。ほんと白さが際立った美しい花です。2週間足らずしか見れないのも寂しいけれでもそれも沙羅らしいのかもしれません。
沙羅双樹の花をこんなによく見たのは初めてです。
SORIさんのご実家の沙羅双樹、花も葉も生き生きとしていて素晴らしいですね。お母様が大事にされているのがよくわかります。
花弁の感じが、夏の花という雰囲気ですね。
1日で花が落ちてしまうとはなんと可憐なのでしょう…!
そして実は沙羅双樹は沙羅双樹であってサラソウジュではなかったとは驚きです。インドのサラソウジュ、花のかたちや咲き方がとても面白いですね。
私も記事を書くために沙羅双樹のことを調べて勉強になりました。昨年も花の咲き方が気になっていたので、今年は毎日花を数えてグラフを作ることは、前から決めていて実行しました。花が咲いているのは2週間以内で、ピークには40近い花が咲いていることも分かりました。
まるちゃんのリラックスしている写真を久しぶりに見て安心しました。今日は関西に移動するので今から出発します。
追伸
今、新幹線に乗りました。
合計するとかなりの数のお花が咲いたのですね。すごい。
ご実家にある木はけっこう大きいものなのかな?
SORIさんもう無事に戻られたかな。
移動おつかれさまでした!
夏椿ですね、庭にはヒメシャラと言って茶花用に花の小さい沙羅を植えてありましたが、日当たりの関係 切ってしまいました。
木の名前で歴史を感じますね。
ネットで調べると10~20mになるそうですが、庭の中でも狭い場所に植えていて時々選定しているので2mちょっの高佐です。それでも168個の花を咲かせてくれました。植えたのは30年より前だと思います。
昨日は実家を5時前に出たので10時42分に家に着くことが出来ました。久しぶりでパソコンは電源を入れる時間がなかったので、返事が遅くなってしまいました。
今は切ってしまったそうですが、ヒメシャラを植えられていたのですね。日本に自生しているナツツバキ属はヒコサンヒメシャラを含めて3種程度のようなので貴重ですね。母も茶花として植えたのだと思います。
開花数データすごいです!勉強になりました。すごい面白いです。
話題にあがっている「姫シャラ」は盆栽で愛されている樹種の一つです。種をバラ撒いて寄せ植えするのも人気です。
沙羅双樹は幹肌が特徴的なので和風建築の床柱に使われている事もあるそうです。
沙羅双樹を盆栽にしてみようかな・・・・花がとても可愛いですよね!
姫シャラは盆栽としても楽しまれているのですね。幹も風情があるようなので確かに魅力的な盆栽になりそうです。沙羅双樹の盆栽もよさそうですね。床柱に使われるまでは殻里の年月が必要そうですね。
まだまだ知らないことばかりです。
私も記事を書くために調べて初めて知りました。ほんと知らないことだらけであることを再認識させられました。
さすがです。お茶の木であるチャノキもツバキ科ですね。ただしナツツバキ属ではなくてツバキ属なので椿(ツバキ)に近い種になるようです。
母が沙羅双樹が好きで京都の妙心寺というお寺まで
見に行った事がります。庭に沙羅双樹を、という話が
あったようですが庭屋さんにお寺で植える木だと言われて
断念したという話を聞いた記憶があります。昔は(地方
にもよるのでしょうが)家に植える花、家には植えない花、
とかゲン担ぎや習わしやしきたりの縛りがいろいろあった
気がします。
庭屋さんが言われるくらいなので習わしがあったのは確かなことなのでしょうね。母は茶道を教えていたことがあり茶花になる草木は沢山植えていたので、その一つなのだと思います。そんな中でも沙羅双樹は一番のお気に入りです。
一日で散ってしまう白くて清楚なきれいな花だからこそ沙羅双樹の名前が付けられたように感じます。まさに少女のようです。今年は花を数える機会が出来て良かったです。
先日、姉の知り合いが、宝塚の会館でフラメンコの発表会があるからというので、一緒に行きました。メチャ暑かったです。
ちょうどSORIさんが載せていらっしゃる花の道や、宝塚ホテル、手塚治虫記念館などをとおりました。ホテルでお茶したかったのですが、満員で、駅中の宝塚阪急のカフェでケーキセットを食べました。
次回はぜひ、手塚治虫記念館へいってみたいものです。(^^♪
花の道や、宝塚ホテル、手塚治虫記念館などを通られたばかりなのですね。宝塚ホテルは人気がありますね。娘夫婦は出来た時に出来てすぐに泊まりました。私は旧館の時になんだも行きました。