

実家の庭の花の中で、母が気に入っている一つが上の写真のユリ科のバイモ(貝母)です。Wikipediaによれば正式の種名はアミガサユリだそうですが、バイモと呼ぶ方が一般的なようだし母もバイモと呼んでいます。分類は次の通りで、ユリ科バイモ属の半蔓性多年草です。原産地は中国で、現在は日本(貝母)、韓国(패모)、モンゴル、新疆ウイグル自治区、カザフスタン、シベリアのアルタイ地方に自生していると書かれているサイトもありました。

蔓(つる)植物に見えないのに半蔓性多年草(半つる性多年草)と説明されているは葉の先が巻き付き気味の形をしているためではないかと想定しています。ただし、はっきりと巻き付いている葉はありませんでした。
バイモ(アミガサユリ)の分類を紹介します。バイモ属の中にはクロユリがあります。右の2枚はWkipediaの写真です。

界 植物界 Plantae
被子植物 Angiosperms
単子葉類 Monocots
目 ユリ目 Liliales
科 ユリ科 Liliaceae
属 バイモ属 Fritillaria

呼名 バイモ 貝母
アミガサユリ 編笠百合
テンガイユリ 天蓋百合 ※1
英名 Fritillaria thunbergii Miq
中国名 贝母 贝母花 羊肚菌百合
韓国名 패모
※1:Wikipediaではバイモの和名(別名)がテンガイユリ(天蓋百合)と書かれていますが、一般的にオニユリ(鬼百合)のこともテンガイユリ(天蓋百合)と呼ばれているようで、テンガイユリ(天蓋百合)で検索するとほとんどがオニユリになってしまいます。
実家のバイモの背丈が判る角度の写真を紹介します。



乾燥させた鱗茎は貝母と呼ばれる生薬として日本薬局方に収載されており、粉末が去痰・鎮咳・催乳・鎮痛・止血などに用いられる。貝母は、清肺湯(せいはいさん)、滋陰至宝湯(じいんしほうとう)などの漢方処方に用いられる。
鱗茎をはじめ全草にフリチリン・フリチラリン・ベルチシンなどのアルカロイドを含む。心筋を侵す作用があるので副作用として血圧低下、呼吸麻痺、中枢神経麻痺を引き起こす事もある。また、呼吸数や心拍数が低下する事もあるため、使用時は量に注意すべきである。

花を下からフラッシュを使って撮りました。内側には独特の模様があります。バイモ(貝母)やアミガサユリ(編笠百合)やテンガイユリ(天蓋百合)以外に流通名ではバイモユリ(貝母百合)やフリチラリア・ツンベルギー(Fritillaria thunbergii)も使われています。

1つの花を拡大いたしました。

フラッシュを使わないで撮ると花弁が透けるようなイメージになることが判りました。

もう少し広い範囲のフラッシュなしの写真を紹介します。



椿の正義(まさよし ヨーロッパ名:ドンケラリー/Donckelarii )は上で小さな写真では紹介しましたが大きな写真を紹介します。咲いている花の中で一番大きいものを撮りましたが、花の直径を計り忘れました。残っている少し小さい花の直径を計ると11cmなので、写真の物は12cmを超えていたように感じます。写真をクリックすると面積で24.9倍に拡大いたします。

シーボルト(Philipp Franz Balthasar von Siebold)が船で正義をヨーロッパに持ち帰るところからの経緯を久留米物語の記載内容を枠内に転記する形で紹介します。シーボルトの肖像画(日本で描かれた)と写真(晩年)はWikipediaから転用させていただきました。
文政12年(1829年)12月、シーボルトはオランダ船ジャワ号に、植物と動物の標本、生きた植物のコレクションを積み込み、日本を離れました。その中に「正義」が含まれていたのです。航海中、多数の植物が枯れましたが、翌年7月にアントワープ港に到着し「正義」を含むツバキの接ぎ木苗5株は枯死寸前で荷揚げされました。「正義」は植物園で養生され、息を吹き返します。そして、植物園園長の名にちなみ「ドンケラリー」と命名されました。
ドンケラリーはシーボルトらの尽力で欧米に広まり、その大輪の華麗な花柄が人気を呼んでヤブツバキを代表する名花として愛されています。
戦後、「ドンケラリー」は日本に里帰りしました。現在、草野町には、樹齢300年などの「正義」の古木が6株あります。そのいずれかが「ドンケラリー」の母株といわれています。
シーボルトは、著書の中で、ツバキについてこう書いています。
ツバキは愛好家にとっても商業園芸家にとっても、冷温室の最大の宝物となっており、しかもそれが冬のバラであるが故に、ますますその栄誉に値するものとなっている。ツバキはその花の美しい様子によって、この季節の他の植物の緑の単調さを際立たせているのである
【関連する記事】
- 母の日プレゼントのマーガレット・バブルガム・ブラスト(Margaret Bubb..
- コウヨウザン(広葉杉) Cunninghamia lanceolata 粵拼 넓..
- NHK連続テレビ小説「らんまん」が終わりました。
- 沙羅双樹(正式種名:ナツツバキ)
- ハブランサス・ツビスパツス(Habranthus tubispathus)
- たくましいスミレ
- コリアンダーの花が咲きました。
- 我家の一番小さなサボテンが花を咲かせました。 美青丸(Parodia otton..
- イカリソウ(錨草)とキンラン(金蘭)とギンラン(銀蘭)
- 熊谷草の花の見ごろはいつ?
- キンランの公園
- 買ってきた小さなサボテンが花を咲かせました。 雪晃(Parodia haselb..
- オキザリス・ナマクアナ(Oxalis namaquana) カタバミ属
- マツバウンラン(松葉海蘭)の花 刈られてしまいました。
- 雑木林の藤の花 つるの写真を追加しました。
- ネコヤナギの花は雄花(雄株)でした。
- キンランの花が沢山咲きました。
- 我家のバラも咲き始めました。
- ベビーズティアーズ(ソレイロリア・ソレイロリー)
- 980円のデンドロビウム
球根が生薬です。薬であると言うことは、毒性もあることになります。毒性の記述に関しては「鱗茎をはじめ全草にフリチリン・フリチラリン・ベルチシンなどのアルカロイドを含む。心筋を侵す作用があるので副作用として血圧低下、呼吸麻痺、中枢神経麻痺を引き起こす事もある。また、呼吸数や心拍数が低下する事もあるため、使用時は量に注意すべきである。」です。いずれにしても、バクバク食べるものではないようです。
バイモユリは我が家はこれから咲きます。
アミガサユリはモグラで絶えてしまいました。
茎は同じ感じですが咲くと少し違いますね。
目からうろこです。参考になります。
調べてみましたら同じのようですね、ただ毒を含んでいるようです。
鱗茎にはアルカロイドを含み、血圧低下、呼吸麻痺、中枢神経麻痺などを起こします。乾燥させた鱗茎は貝母と呼ばれる生薬で去痰、鎮咳、鎮痛、止血に利用されます。
実家のバイモ、お母様が気に入っている理由に納得の大きさで立派です。また、漢方処方に用いられ、貴重な薬草みたいですね。花を下から撮影した画像、内側に集合体恐怖症?風の模様あり、小生多少ビビりました!?(=^・ェ・^=)
さすが、バイモユリをお庭に植えられているのですね。これから咲くのですね。こちらは一部は花弁が散り始めました。
上向きに撮るカメラの写真を追加させていただきました。
西洋医学が普及する前は貴重だったのではないでしょうか。効能を探し当てた先人たちはすごいと思います。
大事に大きくしないといけませんね。宝物。
花の事は余り知らずに、綺麗だなぁと思いながら写真に収めています。
僕は植物に疎くアミガサユリは初耳(目)です。
疎いのは植物だけじゃなくアート音痴です。
ドイツ人医師であり植物学者の、あのシーボルトがヨーロッパに持ち帰った椿です。
他にも沙羅双樹が気にっています。椿の奥にありますが、花が咲くのは6月頃だったと思います。
ほんとユリは多彩ですね。私も野草系で好きなものがいくつかあります。
あまり知られていないユリだと思います。薬草の世界の植物なのかもしれません。
バイモのことがよく解かりました
名前の由来も納得しましたよ
ありがとうございます^^
植物園では沢山咲いているバイモを見られたことでしょう。名前の由来なども読んでいただいてうれしいです。こちらこそ、ありがとうございます。
我が家にもアマガエルが出没します。
https://makkurokurosk.blog.ss-blog.jp/2020-10-18
バリアングルモニタ-でましたから
撮られたんですね
素敵な写真が撮れましたね
ありがとうございます。ほとんどモニターの角度を変えて使うことはないのですが、今回だけは良かったです。
最近は、カタカナ名の洋花が増え、名を覚えられません」
名前を聞いていたのですが、忘れてしまったので母に聞くと即座に「バイモ」と答えてくれました。たしかに洋花の名前は沢山ありすぎます。
バイモ大好きなお花です。
我が家も植えています^^
とても素敵に咲いていますね♪
お母様はお花がお好きなご様子。
私も椿が好きで植えています。
地味な雰囲気の野草ポイところが私も好きです。増やしたいと思っていますが、なかなか増えません。ただし大きくなってきたように感じます。椿は3種類くらい植わっています。
コメントを有難うございました。
日本は平和で、たくさんの古い建物が
残っていて、季節を変えて訪れると
違う風景に出会えます。
初めて見るユリです、ランの花の様に
見えます(^^)v
神社や寺院のような古い木造建築が沢山残されているからこそ、それを作る技術も代々受け継がれていて、新しく作ったり、再建したり、修理した時に現代でも昔と同じように立派な神社や寺院が出来るのも日本だけなのだと思います。
透き通るような緑色の花は不思議な魅力があります。
私の住んでいるところは東北なのでやっと成長し始めたところです
開花まではまだまだです
割と地味な花なのであまり気にしてませんでしたが、いろいろと知ることができました 歴史のあるお花なのですね
これからはもっと興味をもってよく観察してみます
バイモの写真を掲載するのでいろいろと調べてみました。薬草だったことも初めて知りました。kmamaさんのお庭のクリスマスローズは素晴らしいです。一株一株の花がすごいし、その株が沢山植わっているのですね。実家ではなく自宅にはクリスマスローズが咲いていますが、寂しい限りです。
茶室にあいそうですね
母はお茶とお花を教えていたので、このような花に興味があったのだと思います。
読んでいただいてうれしいです。
お薬の名前でご存じだったのですね。古来から使われてきた生薬なのでしょうね。
ほんと花がかわいいです。薄緑色なのが魅力的です。
ブログを書くために調べていていろんなことを知ることが出来ました。花の模様の奥深さを知りました。