2023年03月28日

バイモ(貝母) アミガサユリ(編笠百合) テンガイユリ(天蓋百合)

写真の上のカーソルがの場合はクリックすると拡大します。
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実家の庭の花の中で、母が気に入っている一つが上の写真のユリ科のバイモ(貝母)です。Wikipediaによれば正式の種名はアミガサユリだそうですが、バイモと呼ぶ方が一般的なようだし母もバイモと呼んでいます。分類は次の通りで、ユリ科バイモ属の半蔓性多年草です。原産地は中国で、現在は日本(貝母)、韓国(패모)、モンゴル、新疆ウイグル自治区、カザフスタン、シベリアのアルタイ地方に自生していると書かれているサイトもありました。クリックすると拡大日本では梅雨頃から休眠するのも特徴だそうです。鱗茎(球根の6種類の1つ)が二枚の厚い貝状の鱗片が相対していることに由来して貝母(ばいも)の名が付いたそうです。右の鱗茎の写真はネットから転用させていただきました。
蔓(つる)植物に見えないのに半蔓性多年草(半つる性多年草)と説明されているは葉の先が巻き付き気味の形をしているためではないかと想定しています。ただし、はっきりと巻き付いている葉はありませんでした。
バイモ(アミガサユリ)の分類を紹介します。バイモ属の中にはクロユリがあります。右の2枚はWkipediaの写真です。クリックすると拡大
  界 植物界    Plantae
    被子植物   Angiosperms
    単子葉類   Monocots
  目 ユリ目    Liliales
  科 ユリ科    Liliaceae
  属 バイモ属   Fritillaria
クリックすると拡大  種 アミガサユリ Fritillaria verticillata
 呼名 バイモ    貝母
    アミガサユリ 編笠百合
    テンガイユリ 天蓋百合 ※1
 英名 Fritillaria thunbergii Miq
中国名 贝母 贝母花 羊肚菌百合
韓国名 패모
※1:Wikipediaではバイモの和名(別名)がテンガイユリ(天蓋百合)と書かれていますが、一般的にオニユリ(鬼百合)のこともテンガイユリ(天蓋百合)と呼ばれているようで、テンガイユリ(天蓋百合)検索するとほとんどがオニユリになってしまいます。

実家のバイモの背丈が判る角度の写真を紹介します。
クリックすると拡大Wikipediaによれば「茎高50cm程度で茎頂に2つほどの花を下向きに咲かせる」とありますが、実家のバイモの背丈は94cmで、一番上の花の高さは82cmあり、花は写真のように沢山つけています。別の種類かもしれないと思いましたが、ネットから転用させていただいた右の写真のように東京都清瀬市の明治薬科大学薬草園のバイモ(アミガサユリ)は、実家のバイモと同じように沢山花をつけていました。海外のWikipediaによれば7つ咲くこともあるそうです。実家の背の高いバイモは5株で花はクリックすると拡大背の高い順に6つ、6つ、6つ、2つ、3つで、少し手前に小さな株があり1つ花をつけています。母がこのバイモを気に入っている理由の一つが大きく育っていることです。ちなみに右奥に見えている赤色の花の椿は父と同じ名前「正義(まさよし)」です。久留米地方を中心に江戸時代から普及していた正義(まさよし)をヨーロッパに持ち帰って普及させたのがドイツ人医師で植物学者のシーボルトでした。ヨーロッパ名はドンケラリーです。右の写真が正義でクリックすると拡大します。
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クリックすると拡大こちらがバイモの花のアップです。クリックすると面積で16倍に拡大いたします。本記事に掲載している写真は2枚を除いてすべて面積で16倍に拡大いたします。明治薬科大学薬草園の説明板には右のように英名はFritillaria thunbergii Miq.と書かれていました。バイモは薬草なのでWikipediaに書かれている薬効と副作用を枠内に転記いたしました。枠内のバイモの鱗茎を乾燥させた写真はネットから転用させていただきました。その形が貝母の名前の由来です。
クリックすると拡大乾燥させた鱗茎は貝母と呼ばれる生薬として日本薬局方に収載されており、粉末が去痰・鎮咳・催乳・鎮痛・止血などに用いられる。貝母は、清肺湯(せいはいさん)、滋陰至宝湯(じいんしほうとう)などの漢方処方に用いられる。
鱗茎をはじめ全草にフリチリン・フリチラリン・ベルチシンなどのアルカロイドを含む。心筋を侵す作用があるので副作用として血圧低下、呼吸麻痺、中枢神経麻痺を引き起こす事もある。また、呼吸数や心拍数が低下する事もあるため、使用時は量に注意すべきである。
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花を下からフラッシュを使って撮りました。内側には独特の模様があります。バイモ(貝母)やアミガサユリ(編笠百合)やテンガイユリ(天蓋百合)以外に流通名ではバイモユリ(貝母百合)やフリチラリア・ツンベルギー(Fritillaria thunbergii)も使われています。
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1つの花を拡大いたしました。
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フラッシュを使わないで撮ると花弁が透けるようなイメージになることが判りました。
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もう少し広い範囲のフラッシュなしの写真を紹介します。
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クリックすると拡大下向きの花はカメラの液晶モニターの向きを変えて上向きで撮りました。液晶モニターの角度が180度変えられるのでレンズを向ける方向がうまくいきました。地面すれすれから水平を撮る時や、自撮りにも便利にしています。


椿の正義(まさよし ヨーロッパ名:ドンケラリー/Donckelarii )は上で小さな写真では紹介しましたが大きな写真を紹介します。咲いている花の中で一番大きいものを撮りましたが、花の直径を計り忘れました。残っている少し小さい花の直径を計ると11cmなので、写真の物は12cmを超えていたように感じます。写真をクリックすると面積で24.9倍に拡大いたします。
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シーボルト(Philipp Franz Balthasar von Siebold)が船で正義をヨーロッパに持ち帰るところからの経緯を久留米物語の記載内容を枠内に転記する形で紹介します。シーボルトの肖像画(日本で描かれた)と写真(晩年)はWikipediaから転用させていただきました。
クリックすると拡大文政12年(1829年)12月、シーボルトはオランダ船ジャワ号に、植物と動物の標本、生きた植物のコレクションを積み込み、日本を離れました。その中に「正義」が含まれていたのです。航海中、多数の植物が枯れましたが、翌年7月にアントワープ港に到着し「正義」を含むツバキの接ぎ木苗5株は枯死寸前で荷揚げされました。「正義」は植物園で養生され、息を吹き返します。そして、植物園園長の名にちなみ「ドンケラリー」と命名されました。
クリックすると拡大ドンケラリーはシーボルトらの尽力で欧米に広まり、その大輪の華麗な花柄が人気を呼んでヤブツバキを代表する名花として愛されています。
戦後、「ドンケラリー」は日本に里帰りしました。現在、草野町には、樹齢300年などの「正義」の古木が6株あります。そのいずれかが「ドンケラリー」の母株といわれています。
シーボルトは、著書の中で、ツバキについてこう書いています。
ツバキは愛好家にとっても商業園芸家にとっても、冷温室の最大の宝物となっており、しかもそれが冬のバラであるが故に、ますますその栄誉に値するものとなっている。ツバキはその花の美しい様子によって、この季節の他の植物の緑の単調さを際立たせているのである
ラベル:ゆり 実家
posted by SORI at 20:35| Comment(38) | 植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
球根に毒があったりしないんですか?
Posted by リス太郎 at 2023年03月24日 09:33
リス太郎さん おはようございます。
球根が生薬です。薬であると言うことは、毒性もあることになります。毒性の記述に関しては「鱗茎をはじめ全草にフリチリン・フリチラリン・ベルチシンなどのアルカロイドを含む。心筋を侵す作用があるので副作用として血圧低下、呼吸麻痺、中枢神経麻痺を引き起こす事もある。また、呼吸数や心拍数が低下する事もあるため、使用時は量に注意すべきである。」です。いずれにしても、バクバク食べるものではないようです。
Posted by SORI at 2023年03月24日 10:15
こんにちは~
バイモユリは我が家はこれから咲きます。
アミガサユリはモグラで絶えてしまいました。
茎は同じ感じですが咲くと少し違いますね。
Posted by せつこ at 2023年03月24日 10:30
花を下からフラッシュをたいて映す方法があったのですね。
目からうろこです。参考になります。
Posted by よしあき・ギャラリー at 2023年03月24日 10:41
この百合は植物園などで見ますね、編み笠百合とバイモユリは少し違うんでしょうかね。
調べてみましたら同じのようですね、ただ毒を含んでいるようです。
鱗茎にはアルカロイドを含み、血圧低下、呼吸麻痺、中枢神経麻痺などを起こします。乾燥させた鱗茎は貝母と呼ばれる生薬で去痰、鎮咳、鎮痛、止血に利用されます。
Posted by kousaku at 2023年03月24日 10:52
高さのあるお花なんですね。花の形が可愛い(*^^*)
Posted by 溺愛猫的女人 at 2023年03月24日 12:59
こんにちは。
実家のバイモ、お母様が気に入っている理由に納得の大きさで立派です。また、漢方処方に用いられ、貴重な薬草みたいですね。花を下から撮影した画像、内側に集合体恐怖症?風の模様あり、小生多少ビビりました!?(=^・ェ・^=)
Posted by Boss365 at 2023年03月24日 13:15
せつこさん こんにちは
さすが、バイモユリをお庭に植えられているのですね。これから咲くのですね。こちらは一部は花弁が散り始めました。
Posted by SORI at 2023年03月24日 14:05
よしあき・ギャラリーさん こんにちは
上向きに撮るカメラの写真を追加させていただきました。
Posted by SORI at 2023年03月24日 14:07
kousakuさん こんにちは
西洋医学が普及する前は貴重だったのではないでしょうか。効能を探し当てた先人たちはすごいと思います。
Posted by SORI at 2023年03月24日 14:12
お父様と同名の椿。
大事に大きくしないといけませんね。宝物。
Posted by 夏炉冬扇 at 2023年03月24日 18:59
実家の庭、母の気に入っている花,そんな言葉が心につたわってきます。色々工夫して撮っていますね。
Posted by JUNKO at 2023年03月24日 19:03
百合の世界も多彩なのですね。
花の事は余り知らずに、綺麗だなぁと思いながら写真に収めています。
Posted by ヨッシーパパ at 2023年03月24日 19:07
拙ブログへのコメントありがとうございます。
僕は植物に疎くアミガサユリは初耳(目)です。
疎いのは植物だけじゃなくアート音痴です。
Posted by johncomeback at 2023年03月24日 20:04
夏炉冬扇さん こんばんは
ドイツ人医師であり植物学者の、あのシーボルトがヨーロッパに持ち帰った椿です。
Posted by SORI at 2023年03月24日 21:15
JUNKOさん こんばんは
他にも沙羅双樹が気にっています。椿の奥にありますが、花が咲くのは6月頃だったと思います。
Posted by SORI at 2023年03月24日 21:21
ヨッシーパパ さん こんばんは
ほんとユリは多彩ですね。私も野草系で好きなものがいくつかあります。
Posted by SORI at 2023年03月24日 21:24
johncomebackさん こんばんは
あまり知られていないユリだと思います。薬草の世界の植物なのかもしれません。
Posted by SORI at 2023年03月24日 21:26
先日訪れた国分寺の万葉の植物園で出会った
バイモのことがよく解かりました
名前の由来も納得しましたよ
ありがとうございます^^
Posted by mitu at 2023年03月24日 23:17
mituさん おはようございます。
植物園では沢山咲いているバイモを見られたことでしょう。名前の由来なども読んでいただいてうれしいです。こちらこそ、ありがとうございます。
我が家にもアマガエルが出没します。
https://makkurokurosk.blog.ss-blog.jp/2020-10-18
Posted by SORI at 2023年03月25日 05:28
下向きに咲くバイモユリを
バリアングルモニタ-でましたから
撮られたんですね
素敵な写真が撮れましたね
Posted by kazu-kun2626 at 2023年03月25日 09:38
kazu-kun2626さん おはようございます。
ありがとうございます。ほとんどモニターの角度を変えて使うことはないのですが、今回だけは良かったです。
Posted by SORI at 2023年03月25日 10:00
バイガモユリは、日本名の、日本のはなでしょうね
最近は、カタカナ名の洋花が増え、名を覚えられません」
Posted by koh925 at 2023年03月25日 11:08
koh925さん おはようございます。
名前を聞いていたのですが、忘れてしまったので母に聞くと即座に「バイモ」と答えてくれました。たしかに洋花の名前は沢山ありすぎます。
Posted by SORI at 2023年03月25日 11:16
こんにちは^^
バイモ大好きなお花です。
我が家も植えています^^
とても素敵に咲いていますね♪
お母様はお花がお好きなご様子。
私も椿が好きで植えています。
Posted by いろは at 2023年03月25日 14:16
いろはさん こんにちは
地味な雰囲気の野草ポイところが私も好きです。増やしたいと思っていますが、なかなか増えません。ただし大きくなってきたように感じます。椿は3種類くらい植わっています。
Posted by SORI at 2023年03月25日 15:10
こんにちは、東塔・西塔が残る當麻寺に
コメントを有難うございました。
日本は平和で、たくさんの古い建物が
残っていて、季節を変えて訪れると
違う風景に出会えます。
初めて見るユリです、ランの花の様に
見えます(^^)v
Posted by tarou at 2023年03月25日 18:39
tarouさん こんばんは
神社や寺院のような古い木造建築が沢山残されているからこそ、それを作る技術も代々受け継がれていて、新しく作ったり、再建したり、修理した時に現代でも昔と同じように立派な神社や寺院が出来るのも日本だけなのだと思います。
透き通るような緑色の花は不思議な魅力があります。
Posted by SORI at 2023年03月25日 18:57
ずいぶん大きく成長しているのですね
私の住んでいるところは東北なのでやっと成長し始めたところです
開花まではまだまだです
割と地味な花なのであまり気にしてませんでしたが、いろいろと知ることができました 歴史のあるお花なのですね
これからはもっと興味をもってよく観察してみます
Posted by kmama at 2023年03月26日 14:39
kmamaさん こんにちは
バイモの写真を掲載するのでいろいろと調べてみました。薬草だったことも初めて知りました。kmamaさんのお庭のクリスマスローズは素晴らしいです。一株一株の花がすごいし、その株が沢山植わっているのですね。実家ではなく自宅にはクリスマスローズが咲いていますが、寂しい限りです。
Posted by SORI at 2023年03月26日 14:57
バイモ懐かしい花です
茶室にあいそうですね
Posted by よいこ at 2023年03月27日 09:34
よいこさん おはようございます。
母はお茶とお花を教えていたので、このような花に興味があったのだと思います。
Posted by SORI at 2023年03月27日 11:31
なるほど。丁寧な解説ありがとうございます。
Posted by リス太郎 at 2023年03月27日 20:07
リス太郎さん こんばんは
読んでいただいてうれしいです。
Posted by SORI at 2023年03月27日 20:24
薬なので名前は知ってましたが、咲いてる画像は初めて見たかもです!
Posted by トモミ at 2023年03月28日 13:28
トモミさん こんばんは
お薬の名前でご存じだったのですね。古来から使われてきた生薬なのでしょうね。
Posted by SORI at 2023年03月28日 20:16
溺愛猫的女人さん おはようございます。
ほんと花がかわいいです。薄緑色なのが魅力的です。
Posted by SORI at 2023年03月30日 11:41
Boss365さん おはようございます。
ブログを書くために調べていていろんなことを知ることが出来ました。花の模様の奥深さを知りました。
Posted by SORI at 2023年03月30日 11:45
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