2017年09月10日

本ししゃも と カラフトししゃも

写真の上のカーソルがの場合はクリックすると拡大します。
クリックすると拡大クリックすると拡大
クリックすると拡大クリックすると拡大
前記事の「手巻き寿司」と、父の日の「プレゼント」の記事で「本シシャモ」を紹介しましたので、比較のために家の近くのディスカウント・スーパーで通称「ししゃも」と呼ばれているカラフトししゃもを買ってみました。
左が本シシヤモで右がカラフトシシャモです。
北海道で安く売られていることで有名なお店でも、本ししゃもが1980円(10匹)だったのに対してカラフトししゃもは178円(10匹)でした。
シシャモである通称「本ししゃも」は世界中でも北海道の太平洋沿岸の一部でしか獲れない上に、漁獲高が減少したために、今回紹介するカラフトシシャモキュウリウオが、シシャモの代用品として1970年代から売られるようになりましたが、代用品の方が圧倒的に流通量が多いことから、今ではカラフトシシャモやキュウリウオがシシャモと呼ばれ、本来のシシャモは本シシャモと呼ばれるようになったそうです。

本シシャモと他の通称シシャモの分類上の違いを紹介します。
本シシャモは鮭のように、川に遡上して産卵しますが、カラフトシシャモは川には遡上せずに海の浅瀬で産卵するそうです。キュウリウオは川に遡上して産卵するそうです。
通称 本ししゃも ししゃも
動物界 Animalia 動物界 Animalia
脊索動物門 Chordata 脊索動物門 Chordata
亜門 脊椎動物亜門 Vertebrata 脊椎動物亜門 Vertebrata
条鰭綱 Actinopterygii 条鰭綱 Actinopterygii
キュウリウオ目 Osmeriformes キュウリウオ目 Osmeriformes
キュウリウオ科 Osmeridae キュウリウオ科 Osmeridae
シシャモ属 Spirinchus カラフトシシャモ属 Mallotus
シシャモ S. lanceolatus カラフトシシャモ M. villosus
英名 シシャモ Shishamo カペリン Capelin
産卵 川に遡上 (10月~12月) 海の浅瀬 (春から初夏)
キュウリウオ属 Osmerus
O. mordax
亜種 キュウリウオ O. m. dentex
英名 Arctic rainbow smelt
産卵 川に遡上 (4月下旬~5月下旬)


こちらが178円(10匹)のカラフトシシャモです。この日は特売で特別に安く178円でしたが通常は200円~300円の間だったと思います。Wikipediaでのカラフトシシャモの記載内容の一部を枠内に転記いたします。今回は商品名で「カラフトししゃも」と書かれていることから良心的な商品と言えます。
食味は本ししゃもと大きく異なるが、姿は両者とも非常に似ており漁師以外は外見だけで見分けるのが困難なこと、本シシャモの味を知らない人が多いことを利用し食品偽装の引き金になることがある。2003年の農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律改訂にともなう販売表示の厳格化を受けた行政指導により、原材料名にはカラフトシシャモと表記される様になったが、商品名は対象外。
クリックすると拡大

本シシャモと比べる機会がなければ、確かにシシャモでした。
クリックすると拡大

卵も沢山入っていました。本シシャモでなくても子持ちシシャモは美味しかったです。
クリックすると拡大

子持ちシシャモ(カラフトししゃも)は純米大吟醸でいただきました。
クリックすると拡大

この日のメインデッシャはカレイの煮付けでした。
クリックすると拡大

オクラを混ぜるのは私の役目です。
クリックすると拡大

定番のサラダはアボガトサラダでした。
クリックすると拡大

味噌汁も用意してもらいました。
クリックすると拡大

FAOのデーターから1950年~2014年のカラフトシシャモ(カペリン)の世界の漁獲量のグラフを作ってみました。他の漁業資源同様にカラフトシシャモも、乱獲のために漁獲量は急速に減ったようです。クリックするとFAOのオリジナルデーターを表示します。最高漁獲量であった1977年は4,008,746トン/年でした。2014年は282,833トン/年で1977年の7.06%です。日本人がシシャモの代用品としてカラフトシシャモを食べ始めた1970年代に漁獲量が増えたのは偶然ではない気がします。
クリックするとオリジナルデーター表示

比較のために本シシャモの大きな写真も掲載いたします。こちらが北海道で買ったシシャモ(通称:本ししゃも)です。味や食感は別物ですが、値段差から特別の時にしか食べれないと感じました。
クリックすると拡大

こちらが焼きあがった本シシャモの写真です。父の日のプレゼントとして送ってもらった本シシャモをガスオーブンで焼きました。シシャモの名前はアイヌ語のsusam(スサム / 楊の葉)に由来するそうです。シシャモに関するアイヌ民族の伝説ではシシャモには複数の種類があったそうです。
クリックすると拡大

やはり本物のシシャモは、卵で膨らんだおなかの張りは最高でした。本シシャモは北海道勇払郡むかわ町の町魚だそうです。本シシャモが北海道の太平洋沖にしか回遊しない詳しい生態は未だ謎のままだそうです。
クリックすると拡大

全てのシシャモはぎっしりと卵が入っていました。このようなシシャモを食べたのは久しぶりでした。シシャモに近いのがワカサギです。ワカサキの分類は次の通りです。本シシャモやカラフトシシャモと同じキュウリウオ目キュウリウオ科の魚です。
クリックすると拡大  目:キュウリウオ目 Osmeriformes
  科:キュウリウオ科 Osmeridae
  属:ワカサギ属   Hypomesus
  種:ワカサギ    H. nipponensis
 英名:        Japanese smelt 又は Wakasagi smelt
クリックすると拡大

本シシャモのグラフも作りたかったけれどもデーターが見つからなかったので、釧路市漁業協同組合さんのホームページに掲載されていたグラフを転用させていただきました。クリックすると転用先の記事を表示します。カラフトシシャモの漁獲量に比べると少ない量ですが、本シシャモの漁獲量が安定しているのは、資源保護対策のふ化事業が長年行われてきたためだと思います。
1989年~2003年の本シシャモの平均漁獲量が約1,300トン/年なのに対してカラフトシシャモは1,330,279トン/年と約1000倍です。
クリックするとオリジナルデーター表示

本シシャモの漁場近くの漁港にマークを入れてみました。左方向から胆振~鵡川~日高~十勝~釧路です。マークの漁港が本シシャモを取り扱っているかどうかは未確認なのでエリアとお考え下さい。
ラベル: ししゃも
posted by SORI at 23:59| Comment(16) | 北海道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お早うございます、ぶらり江之島(えのでん)に
コメントを有難うございました。
江ノ電は小さな車両で、住宅街の軒先を走るのが
楽しいです。

本物のシシャモを頂いたことが有りますが、
薄いピンク色で、卵がたくさん入っていて
日本酒の肴にピッタリでした。
Posted by tarou at 2017年09月09日 08:27
tarouさん こんばんは
シシャモは居酒屋の強いみかたなりました。居酒屋ではよく食べました。
Posted by SORI at 2017年09月09日 18:23
シシャモですか。お酒が進みますね。
Posted by 夏炉冬扇 at 2017年09月09日 18:51
夏炉冬扇さん こんばんは
ほんと、日本酒が飲みたくなります。
Posted by SORI at 2017年09月09日 21:10
カラフトししゃもは、お値打ちですね。
これなら気にせずバリバリ食べられます。
Posted by なんだかなぁ〜!! 横 濱男 at 2017年09月09日 21:49
なんだかなぁ〜!! 横 濱男さん こんばんは
居酒屋ではよく食べますが、家で食べるのは久しぶりでした。
お酒を飲みながら食べるのはいいものですね。
Posted by SORI at 2017年09月09日 23:51
ご無沙汰しております。
パソコンに写真を取り込みがうまくいかず、
ブログ放置していました。
iPhoneから記事のアップができる事が分かり、
少しずつですが、記事をアップして行こうと
思っています。
よろしくお願いいたします。

ししゃも、卵入りはとても美味しいですね。
卵が入ってないと、がっかりしてしまいます。
Posted by youzi at 2017年09月10日 01:35
youziさん おはようございます。
ほんと、ご無沙汰です。
2016年7年2日に記事をUPされて以来ですね。すでに2つの記事を掲載されておられたのですね。楽しみにしております。
Posted by SORI at 2017年09月10日 04:54
以前 テレビで北海道の漁師さんが ししゃもと呼べるのは ここのものだけだと 豪語していました ^ ^誇りを持って 漁をしているのだなーと!最近のししゃもは 痩せ細っています 昔は 子持ちししゃもというと 卵がたっぷり どちらかというと 卵が楽しみで 食べていましたが(¬_¬)最近は寂しいな〜
Posted by チャー at 2017年09月10日 07:35
チャーさん おはようございます。
ほんと、ほこりを持って量をしているのだと思います。計算してみるとカラフトシシャモの漁獲量は本シシャモの約1000倍でした。計算結果は本文に追加させていただきました。
Posted by SORI at 2017年09月10日 08:55
鵡川産でしょうか、札幌の勤務時代を思い出します。
太さの違いに驚いた記憶があります。

>アボカドサラダも美味しそうですね~。
Posted by liuring at 2017年09月10日 09:31
liuringさん おはようございます。
札幌に勤務されている時代には美味しいものを沢山食べられたのでしょうね。羨ましいです。
アボガドは時々食べています。
Posted by SORI at 2017年09月10日 10:10
私たちがふだん食べてるのはカラフトししゃもですね。本ししゃも食べてみたいです
Posted by みぃにゃん at 2017年09月10日 10:40
みぃにゃんさん こんにちは
本州の居酒屋チェーン店やスーパーでは100%、カラフトシシャモかキュウリウオだと思います。デパートならば本シシャモが手に入るかもしれません。最近ではネットで買えるのがいいですね。
Posted by SORI at 2017年09月10日 13:15
子持ちししゃもが食べたくなりました!!
それでも、北海道のししゃもにはかなわないでしょうねー。
Posted by Rinko at 2017年09月11日 10:35
Rinkoさん こんにちは
確かに、自分で採った写真ですが、見ていると思い出して食べたくなります。今回は同時期に両方を体験出来て良かったです。
Posted by SORI at 2017年09月11日 16:58
コメントを書く
コチラをクリックしてください
Seesaaブログのコメント設定について・・・
1 コメント入力に関する設定 →ポチッ
2 コメントリスト         ポチッ
3
昨日の記事ランキング
    先週(月~日)の記事ランキング
      先月の記事ランキング