


関西の親しい知り合いが娘さんたちの関東の住まい探しのために2014年1月17日~21日まで、我が家(千葉県佐倉市)に泊まりました。1月19日に住まいの目途がたったことから、関東で行きたいところはないかと聞くと「ホキ美術館」という聞きなれない美術館の名前を言われました。そこで家内と3人で、そのホキ美術館に2014年1月20日に行ってきました。私は、初めてホキ美術館を知ったわけですが、関西の方はテレビで紹介されたことで、知ったとのことでした。上のホキ美術館の写真は加工をほどこしています。10秒後に1秒だけオリジナルが表示されます。

展示されている作品もすばらしいのですが、写真を見てもらってわかるように美術館の斬新な建物もすばらしいのです。この写真は建物の東側から見た景観です。
地上1階、地下2階の湾曲した回廊型の躯体が3層に重なり、回廊の総延長は500メートルにわたる回廊型ギャラリーで、写真のように1階のギャラリー部分の一部鉄骨造によって30m程度ほど跳ね出し構造になって、空中に浮いているのです。本建築は2009年にスペイン・バルセロナで開催されたWAF(World Architecture Festival)のfuture project 部門で最終審査まで残った建物だそうです。日本においては以下の様々な賞を受賞しています。
2011年 日本建築家協会 「日本建築大賞」
2011年 千葉市 「千葉市都市文化賞 優秀賞」
2011年 千葉県 「千葉県都市文化賞 優秀賞」
2012年 社団法人日本建設業連合会 「第53回BCS賞」

上の写真とは反対側から撮った建物の写真です。つまり西側から建物を見ているわけです。冒頭の写真は南東方向から見た美術館です。我々が見学を終る頃に学生風の外国人の沢山の人が来られていました。
ホキ美術館には下記の約50名の作品が展示されていました。
森本草介 野田弘志 中山忠彦 磯江毅 青木敏郎 原雅幸 大矢英雄
島村信之 生島浩 諏訪敦 石黒賢一郎 五味文彦 小尾修 大畑稔浩
羽田裕 藤原秀一 李暁剛 塩谷亮 松澤茂雄 横尾正夫 永田英右
木原和敏 藤井勉 福井欧夏 山本大貴 高橋和正 津地威汎 安彦文平
松村卓志 渡抜亮 曽根茂 卯野和宏 岩本行雄 石田洋一 永山優子
廣戸絵美 中根寛 井澤幸三 向井潤吉 林武 芳川誠 吉田伊佐
伊勢崎勝人 黒澤信男 松田一聡 山木章 曽剣雄 冨所龍人
Adolf Sehring Dario Campanile Jean-Pierre Bédarrides 他

外部も内部も斬新です。少しカーブした回廊の組み合わせで作られています。特に展示室に入って最初に目に入ってくる細長い回廊のGallery 1 は圧巻です。クリックすると他のフロアーも含めたフロアマップを表示します。

航空写真でもホキ美術館を紹介します。形がよくわかってもらえると思います。
こちらが美術館の入口です。入って右側にレストランがあり左に進むとガラスの壁全体がスライドし美術館の内部に進めるのです。

入場券のデザインには建物の形が使われていることが判ってもらえると思います。
名前 ホキ美術館
住所 千葉県千葉市緑区あすみが丘東3-15
電話 043-205-1500
料金 一般 :1800円 高校生・大学生・65歳以上:1300円
中学生:900円 小学生以下無料
休館 火曜日(祝日の場合は翌日)
時間 10:00~17:30

残念ながら内部の写真撮影は禁止されているためネットに掲載されている写真で展示室(Gallery)を紹介いたします。この写真は一階のGallery 1 を入口側から進んでいく方向を撮ったものです。Gallery 1 には第1回ホキ美術館大賞展での入選56点が展示されていました。

Gallery 2からGallery 9 はすべて地下になります。こちらがGallery 2 とGallery 3 です。Gallery 2 と 3 もGallery 1と同じように長い回廊になっています。Gallery 2からGallery 9の写真をクリックすると展示内容を表示いたします。
Gallery 2 には森本草介をはじめ、島村信介などの中堅作家の代表的な作品が展示されていました。 Gallery 3 は野田弘志を中心に、中堅作家の大型作品が展示されていました。
Gallery 2 Gallery 3


Gallery 4 は五味文彦の静物画を中心に紹介されていました。Gallery 5 は陶芸のギャラリーでした。Gallery 5 だけが写実絵画以外のコレクションのギャラリーでした。
Gallery 4 Gallery 5


Gallery 6 は吹き抜けのホールが利用された展示で中山忠彦などの作品が飾られていました。Gallery 7 はエジンバラに住んでいる風景画家の原 幸が展示されていました。
Gallery 6 Gallery 7


Gallery 8 には14人の巨匠と中堅作家の100号以上の14点が音声ガイド付きで展示されていました。Gallery 9 には若手女性作家の大作2点が展示れていました。
Gallery 8 Gallery 9


写実絵画が展示された部屋に入ると一見すると写真展の会場に入った錯覚に陥ります。しかし人物が描かれた大きな大作に近づいて瞳を見て、写実絵画の一端を感じることが出来ました。どこまでも近づいても写実なのです。到底写真では感じることが出来ないもののような迫力が伝わってきました。この精密さはなんだろう、おそらく1年に数作品、あるいは1作品しか描けないほど精密に細かく描かれているのです。残念ながら作品を写真に撮っても写真としか見えないのが写実絵画なのですが、雰囲気を感じていただくために作品を紹介いたします。ただし館内は撮影禁止なのでパンフレットとネットの写真で紹介いたします。作品の写真はクリックすると拡大します。
この3つの作品は展示されている約50名の作品の中で代表する3名の作品です。
森本草介 野田弘志 中山忠彦



こちらはHP掲載で、作品名は
左 横になるポーズ
中 アナスタシア
右 燭台のある部室 です。
こちらは島村信之の「幻想ロブスター」です。

こちらは森本草介の「休日」です。ホキ美術館は、森本草介(1937年生まれ)の作品が32点コレクションされていることでも有名だそうです。これは日本最大の数だそうです。これも含めてパンフレットから4点を紹介いたします。

こちらの2点は森本草介の「未来」(左)と「光の方へ」(右)です。


森本草介の「田園」です。このような風景画も描かれていました。

こちらは野田弘志の「聖なるもの THE-IV」です。

HPに掲載されていた作品をいくつか紹介します。
生島浩の「Box」 大矢英雄の「春の風の理由」


塩谷亮の「耀」 島村信之の「日差し」


大畑稔浩の「川尻港」 五味文彦の「レモンのある静物」


原雅幸の「ナローカナルのボート乗り場」 青木敏郎の「椿・レーマ杯・染付図」


小尾修の「南瓜」 羽田 裕の「サン・ジョルジョ・マッジョーレ島」


第1回ホキ美術館大賞の受賞作品です。左から大賞、準賞、館長賞です。
山本誠「4月3日の記憶」 川原田亜紀子「九十年」 小木曽誠「巡界する刻の中で」



ホキ美術館の動画がInternet Museumのサイトにあったので紹介いたします。これを見ると写真と写実絵画の違いかを感じてもらえるかもしれません。
3つの動画のプレーボタン( ► )をクリックして、同時に見てもらうと効率的だと思います。映像時間の関係で下から順番にクリックすることをお薦めします。
動画は上から1F「Gallery 1」 B2F「Gallery 8」 B1F「Gallery 2」です。
こちらは写実絵画ではありません。ホキ美術館に隣接する「昭和の森」の写真です。

すばらしい美術館ですが、残念なのが昭和の森の敷地の中にホキ美術館を建てることが出来なかったことです。公的な敷地の中に私的な美術館を建てることは難しいとは思いますが、この広い敷地の中に冒頭の斬新な建物が建っていたら、すばらしい景観になっていたと感じるのは私だけではないと思います。
相乗効果で、もっともっと沢山の人が訪れることになるのだと思います。

こちらは写実絵画でしょうか? 写真でしょうか?
答えは昭和の森に咲いていた水仙の写真です。中央の水仙のみにピントが合っているのが写真の証拠です。写実絵画であれば、遠くの水仙も近くの水仙も鮮明に描かれるのが一般的なのです。写実絵画と写真には外見的にも内面的にも多くの違いがある中の一つの差に過ぎません。クリックすると拡大するので写真であることが実感されるのではないかと思います。

ホキ美術館の場所を地図で紹介いたします。赤色マークのところです。
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写真と見間違いそうです
実物を見たいですね
その時にホキ美術館を知り、他の方々の作品も観たいと思っていました。
しかし、地理的なハンディと重い腰を克服できないで・・・
もう3年近くになりますが残念ながらまだ実現していません。
でも、この記事を読ませていただいて俄然食指が!!
ありがとうございました・・・いつかきっと、ムチ打って!(笑
ずいぶんとたくさんの数が集められているんですね。@@
あまりにも忠実に書かれているのに驚かされました。これだけは実物を見ないと判らないと思います。いい経験となりました。
一見は写真のようですが、近づいて詳細に見てみて、その凄さに驚かされました。写実絵画は今回初めて見て驚きました。
三越の日本橋本店でホキ美術館所蔵の森本草介展が2月5日~17日まで行なわれるそうです。大阪の阪急うめだ本店でも行われましたが、残念ながら1月12日に終了してしまいました。
ほんとすごい数でした。回廊に並んだ絵画は壮観でした。
なかなか趣のある魅せ方ですね♪
いちどは行ってみたいですね。
この建物には驚かされました。長い回廊と微妙なカーブが妙に新鮮でした。
紹介できてよかったです。車で気楽に行けるところが川村美術館に通じるものがあります。
場所が住宅地の端っこで、場所がアンバランスですね、。。
確かに隣の昭和の森に立てた方が、すんなり馴染みます。。
緩和してもっと上手く活用を考えればいいのにと思いますね。
すばらしい発想ですね。大きな積木と言ったらいいかもしれません。
贅沢のがんぼうですが、これだけの芸実性の高い建物だけに広い敷地に建ててあげたかったですね。公園の中の私的な美術館と言えば、都立井の頭恩賜公園の中に建てられたジブリ美術館を思い出します。この場合は民間事業者からの「負担付寄付」の手法で行政財産として建設されたそうです。
素晴らしい写実画の数々・・・
知りませんでした☆
紹介していただき ありがとうございます。
行ってみたい美術館が増えました✿
このように美術館を建てて収集した美術品を公開することはすばらしいことだと思います。沢山の人に見てもらえることは作者にとっても、望むことではないでしょうか。
斬新な建物の美術館ですね
ホキ美術館初めて知りました
展示もすっきりしてていいですね
水仙綺麗に撮れてますね
日本初の写実絵画の美術館だそうです。個人で350作品も集められるとはすごいです。kazu-kun2626さんの水仙の記事を見て昭和の森で水仙を撮ったことを思い出して追記させていただきました。
今度行ってみます。
私も初めて知りました。沢山の作品が展示されているのに驚かされました。
いつもこの近くにおります(笑)
昭和の森の中にこの美術館があったらと今も思いますが、だいぶこの感覚に慣れてきました。
写実絵画は珍しい分野なのでもっと多くの人たちに観てもらいたいと思います。
ホキ美術館の近くにお住まいなのですね。昭和の森もよく散歩されるのではないでしょうか。自然が豊かでいいですね。
すばらしい場所にすばらしい美術館だと思います。
東京の三越でも作品展をやっていますが作品数はやっぱり違いますね。いろんな作者の作品を見ようとすると、ここに行くしかないですね。