

千葉県の佐原地区にある昔ながらの町並みで二階建ての高い建物が多い中で珍しい景観だったので、小野川沿いの平屋建物を倉庫業を営んでいる与倉屋さんだと勘違いをして記事に書いてしまいましたが、こちらの写真が本物の与倉屋さんです。調べ見ると与倉屋で、この建物は明治初期のものだそうです。 明治初期に酒醸造業を営み、その後醤油醸造業を戦前までつづけ、昭和30年頃まで製粉業を営み、現在倉庫業をしているそうです。

確かにネットで説明されていたように裏手には124年前の1889年に建てられた与倉屋所有の大土蔵がありました。これで与倉屋さんであることを完全に確信いたしました。1200棟の家屋を焼失させた1892年(明治25年)の佐原の大火以前の貴重な建物です。

こちらは上の写真の奥の方から撮った大土蔵の写真です。明治期には醤油醸造業に用いられていたそうです。戦時中は武器庫にもつかわれ、戦後は余剰米の倉庫として使われた時代もあったようです。

大きな倉庫で精いっぱい遠くから広角の24mmで撮っても全景を撮ることが出来ませんでした。現在はイベントスペースとしても用いられておりコンサートなどに使われています。夜は若手たちが佐原囃子(さわらばやし)の訓練に励んでおり、お囃子の笛の音を伝建地区に響かせているそうです。佐原囃子は江戸時代から続いているお囃子で、演奏する団体を「下座連」と呼んでいます。現在約70を超える下座連が活動しているそうです。国の重要無形民俗文化財指定されている佐原の山車行事で演奏されます。

倉庫の壁には赴くのある裸電線が張られているのが印象的でした。今時珍しい白熱電球の外灯(街灯)も印象的でした。

冒頭の与倉屋さんの写真の向かいにも趣のある建物がありました。こちらも与倉屋さんの所有の建物でした。

その建物の横の建物も与倉屋さんの所有の建物でした。この辺り一帯が与倉屋さんだったのです。

倉庫の大きさを実感してもらうために航空写真を紹介します。瓦葺の素晴らしい建物であることがわかりました。屋根の上にブルーシートが見受けられます。震災後の航空写真ですね。この地域の地震はひどかったようですが、大土蔵は大きな被害になっていないようでした。作業場を確保するため柱は最小限にする工夫が施されていて、そんな土蔵を支えるのは「小屋組み」という手法で何層にも張り巡らされた梁にあるそうです。大きな地震にも耐えられる構造だったようです。
佐原の町の地図です。赤い丸印のところが与倉屋さんです。この地図をクリックするとネットのオリジナルの地図を表示します。

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何となく懐かしい街並みですねぇ。
さすが百数十年前の建物です。123年前の倉庫もすごいと思います。
それに、大きな建物!
あの頃の贅を尽くして建てたのでしょうね。
ほんと、どのような商家かだったのか当時のことが知りたくなりました。
佐原では1892年(明治25年)に大火があったことから翌年に建てられた建物が多い中で大火以前の貴重な建物です。
かっこいい…
訪れる人が多い香取街道沿いや小野川沿いの町並みから少し離れて場所に、このような立派な古い景観が残っているとは想像もしていませんでした。いろんなところを散策してみるものですね。
古い街並みは不思議と癒されます。2回目の訪問でやっと見つけることが出来た大土蔵でした。
1892年(明治25年)貴重な建物に感動しました・・・
綺麗に残っていますね。
百数十年が経った建物の中で伝統芸能の練習が行われているのは感動ものです。いつもでもいつまでも残ってほしいです。
貴重な建物をいつまでも使用して役立てる
風習が根ずくといいですね
土蔵としては日本の中でも最大レベルではないでしょうか。"大土蔵"のみで検索してみると圧倒的に与倉屋大土蔵が多かったです。
http://search.yahoo.co.jp/search?p=%22%E5%A4%A7%E5%9C%9F%E8%94%B5%22&aq=-1&oq=&ei=UTF-8&fr=top_ga1_sa&x=wrt
イラストの地図が、とても楽しいです。(^_^)
ご商売の多い街はお稲荷さんも多いのでしょうか?
猫のマークは「ちょっと面白い路地空間」との事ですが、
この地図を片手に旅がしたくなります。(^_^)
素敵な街並みですね
イラストの道しるべを見られたのですね。歩いてみると新しい発見があります。今回の大土蔵も地図を片手に歩いていて見つけました。
下手な文章で褒められてしまうと汗が出ます。
冒頭の建物の格子は素晴らしかったです。さらに大土蔵の迫力には驚かされました。
いずれも立派な建物です。昔、ここでどのような生活があったのでしょうね。皆さんの気持ちの中に古いものを残そうとする気持ちがあるからこそなのでしょう。
長島監督が生まれ育った場所ですよね。
街灯もとてもレトロな感じでいいですね。
ここを訪れるのならば、やはり花菖蒲が見頃の「あやめ祭り」の時が最高だと思います。ただし人が多いので、静かな町を見るのであれば、これから涼しくなってきていくのがいいかもしれません。
この街灯は、ほんとうに趣がありました。大土蔵に取り付けられているので個人の街灯なのでしょうね。
古い外灯は珍しいと思いますー
白熱電球の外灯と言えばアニメの「となりのトトロ」の中でバスを待つシーンを思い出します。