

パリからモロッコのカサブランカへのフライトはスペイン上空を通ります。山の尾根に白いフェンスのようなものが見えます。よく見ると風力発電での風車がはっきりと見えます。後で紹介いたしますがスペインは風力発電大国なのです。
高い高度からの景色ですがはっきりと見えました。その風力発電の多さを実感してもらうために沢山掲載させてもらいます。

尾根に並んでいるのが判ってもらえると思います。

工事も大変だったと思います。飛行機は巡航状態なので高度は約10000mです。10000mの高さからでも写真のように風車は、はっきりと見えました。

遠くからの景色です。でも風車は確認できます。この写真が肉眼で見た時のイメージに近いです。このような位置からズームしたのか゜上の4枚の写真です。

冒頭の写真の一部分を拡大しました。10000mの高さから風車が、ここまで鮮明に見えたのには驚きでした。

パリからモロッコのカサブランカのコースはスペインを縦断するコースなのです。
より大きな地図で パリ→カサブランカ を表示
日本でも見つけました。成田空港に近づいた時に海岸で見つけました。着陸前なので高度が低いため風車がクリヤーに見えました。でも数では圧倒的にスペインが多かったです。
下記は世界の風力発電設備のランキングです。単位はMW(=1000KW)です。左から2009年末の設備容量、2010年末の設備容量、2011年に増設された設備容量、2011年末の設備容量、一人当たりの設備容量でその単位はW/人です。この表を見ていただいて判るようにスペインは世界で4位です。現在の順位は中国1位、アメリカ2位、ドイツ3位、スペイン4位、インド5位です。日本の設備は13位です。順と書いたいるところは順位ですが人口当たりの順位は記載されている国の中での順位とお考えください。人口が極端に少ない国ではもっと大きな数値がある場合があると思います。このリストは2011年末時点の設備の上位40位までの国のリストなので今まで設置していなくて突然に2011年に設置した国があるかもしれないので2011年の増分の順位も30位以降は参考にしてください。
数値だけではわかりにくいので2011年末の設備容量を国別の円グラフにいたしました。世界の合計設備容量は238,351MW(2億3835万KW)です。オーストリアとドイツでも風力発電を見ました。
こちらの円グラフは2011年に増設された設備容量です。
2011年だけで41,236MW(4124万KW)の設備が建設されました。日本は騒音問題があるのでなかなか設置が進んでいないのが現状だそうです。
スペインは日本の8.67倍の風力発電設備があるのですが、特に特出すべきは一人あたりの風力発電です。日本が人口あたりでは20W/人に対してスペインは470W/人と日本の23.8倍なのです。一人当たりの設備容量ではデンマークが1位でスペインが2位となりますますがデンマークの人口は555万人なので4608万人のスペインの数値は実質的に国レベルの人口の国として一位に相当すると言えます。
そして日本の20W/人は世界平均の一人当たりの発電容量35W/人より低いのにも驚きました。参考に人口密度を比較するとスペインの85人/km2に対して日本の339人/km2です。デンマークが129人/km2でドイツが229人/km2なので人口密度との相関は、さほどの関係はないようです。
1994年からの世界の風力発電設備の推移をグラフにしました。
各年に建設された風力発電設備もグラフにして紹介いたします。
風力発電と太陽光発電とでは、どちらが多いでしょうか?
現時点での答えは風力発電でした。このグラフは世界の太陽光発電の2000年からの推移です。2011年は推定値ですが太陽光発電が5500万KWに対して風力発電は2億3835万KWなので設備に関しては太陽光発電の4.3倍になります。実際の太陽光発電の稼働率は調べきれていませんが太陽光発電も夜の発電は0だし、雨や曇りや朝夕の発電量が低いので風力発電の稼働率20%をそんなには大きく引き離す数値ではなさそうです。クリックするとパネルの地域別生産量のグラフを表示します。
設備容量を上で紹介しましたが、これは強い風が吹いたときに達成でき発電量です。風が吹かないときや弱い風しか吹かないので平均的にどの程度発電するのが気になるので探してみました。年間平均にすると2007年のEUでの事例ですが下記の表のように約20%程度になります。
つまり1000万KWの設備を設置すると実際の発電の平均は200万KWということです。それでも2011年の世界合計の設備は238,351MWですから平均で238,351MW×0.2=47670MW(4767万KW)の風力発電が行なわれていることになります。一年間だと47670MW×24×365=417,589,200MWh(4175億KWh)ですが、こんなに桁の大きい数値を聞かされてもピントこないですね。電気代が10円/KWhとすると4.18兆円となります。お金に換算すると感覚的にわかりやすいかもしれません。ヨーロッパでは風力発電や太陽光発電は特別に高額で買い取られる制度のところが多いので個人や民間投資家が結構建設するそうです。個人では大きな畑を持っている農場主などだそうです。
特別にスペイン全土で強風が吹いた事例ですが2008年3月22に一時的とは言えスペイン全電力消費量の40.8%に達したそうです。その時の発電量は約1000万KW(9862MW)で消費量が少なかったことから記録したそうですがすごい数値です。2007年のスペインの設備容量は15145MWであったことから、今だったら風力発電だけで1412万KW(14118MW)ほど発電したことになります。ネットのスペインの記事を紹介しておきます。この瞬間に国全体で65%の稼働率だったことになります。ほんと驚異的な数値です。
【2008年3月26日 AFP】スペインで国内の全電力需要に占める風力発電量の割合が一時、過去最高の40.8%を記録した。スペイン風力発電協会(AEE)が25日、明らかにした。実際スペインは風に恵まれた国です。スペインとドイツの2010年の実際の運転発電量は下記の通りで設備容量が小さいのに実際の発電はスペインの方が多いのです。
同国では22日夕、強風のため風力発電量は9862メガワットに達した。イースター休暇の週末で電力消費量が少なかったため、全電力需要に占める割合は40.8%に達した。
AEEによると、21日から23日の全電力需要に占める風力発電量の割合は平均28%だった。
同国でこれまでの最大風力発電量は1万32メガワット。この記録が出た3月4日は電力需要の多い平日だったため、全電力需要に占める割合は今回ほど高くはなかった。
同国の風力発電量は、2007年に初めて水力発電量と並んだ。
政府は前年7月、再生可能資源によるエネルギー供給を高めるために、沖合に風力発電施設を建設することを認める法律を承認した。陸上施設よりコストはかさむものの、強く安定した風が期待できる利点がある。
欧州連合(EU)の中でドイツ、デンマークと並ぶ3大風力発電国のスペインは、2020年までに再生可能資源によるエネルギー供給を3倍に拡大することを目指している。(c)AFP
設備容量 実際発電 (年間合計) 稼働率
スペイン 2062万KW 平均471万KW(4297600万KWh) 22.8%
ドイツ 2719万KW 平均400万KW(3650000万KWh) 14.7%
やっぱり日本の風力発電の設置状況が気になると思い累積の推移のグラフを掲載いたします。

こちらが各年に建設された日本の風力発電です。2006年をピークに下がってきているのが気になります。
2011年の建設は中国の100分の1以下(0.93%)なのがさびしいです。

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強風で壊れる危険性も考えるとたいへんみたいですね。
太陽光とか風とか地熱とか、自然エネルギーをうまく使えると、
電気の未来が広がるのですが。。。
補助金などで作るだけでは作っても、収入が少ないために故障したりすると修理が行われないこともあるようです。
その点ではヨーロッパは通常の電力の数倍の値段で買い取る制度のためにメンテ費も含めた運営費も保障されているようです。
勉強になりましたよ
2011年の最新のデーターを探すのに少し苦労しました。うれしいお言葉のおかげて調べた苦労も報われました。
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発電失敗で早大の賠償確定 8950万円支払い 茨城・つくば市の風車事業 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110610/trl11061021480004-n1.htm
このニュース覚えています。賠償が確定たのですね。
お互いに不幸にならないようにしたいものですね。
初めて知りました。
自然エネルギーに頼るっていろんな面で大変なのかもしれませんが、
それによって得られるだけのエネルギーによって生活するってことを今一番見直さないといけないことなのかなって日々思います。
私も九州旅行に行ったときに阿蘇山の近くで見ました。一つ一つの発電量は少ないけれども合わさると大きな発電になることを実感いたしました。
四国と言えば鳴門海峡の近くでも見かけました。
自然エネルギーをもっと活用できるようになれば
安全な社会が保てそうですね。
勉強になりました。
でも日本は現在温泉を利用する地熱発電に着床としておりますがどちらがコスト的に見合うのでしょうかね?
風力も太陽光も急速に伸びているので将来が楽しみです。こちらこそ調べてみて勉強になりました。
風力発電の技術は先進国のものですが、制作はすべて中国です。中国は製造コスト、土建コスト、据付コストが日本の数分の1なので電気代は物価に比べて高いために急速に普及しているのだと思います。太陽光パネルの製造も中国が世界の半分以上(約60%)となっています。
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/63/SolarCellProduction-J.PNG
大規模な地熱は経済性は高いと思いますが、地熱は限られた量になってくると思います。
何機か建ってましたが、回ってたのは一台だけ。
近くに浜岡原発がありますから、中電のデモ用の風車だったかも?
近くで見ると迫力がありますね。一台しか回っていないのは気になりますね。海外ではドイツとオーストリアで見ました。
スペインの風力発電は世界で4番目なのですね。
飛行機からの風車の数でも分かりますね。
数年前にスペインに行った時は、古い時代でも風力を使って、小麦や大豆の粉ひきをしていたんですね。
バレンシアから6時間かけて、ラマンチャ地方へ風車を見に行きました。
自然を有効に使うのは大切です。
羽はほんとうに大きいですね。どうやって運ぶのだろう思ってしまう場所に建っていることがありますね。
スペインにも行かれたことがあるのですね。是非とも行ってみたい国です。ゆっくりできた時の候補地です。昔から風の力は活用されていた国てせ風力発電が盛んにおこなわれているのは、なにかの関連を考えてしまいます。
ご訪問、Niceありがとうございます。
日本も本気で自然エネルギーを考えなければ
いけませんね。 大変勉強になりました。
参考になってよかったです。意外と知られていないこともたくさんある気がします。
風力も騒音、鳥さんの死骸、用地確保と結構問題ありますよね。特に安定した質の良い電気を発電するとなると、バッテリーやらなにやらの付属設備のコストがハンパじゃない→現時点では補助金なしでは成り立たない。
地熱は安定した発電が可能ですが、周囲の温泉の枯渇、地盤沈下、それ以前に温泉水脈を掘り当てられるかどうかが博打状態と、こちらも問題はいろいろ、結局将来を見据えたうえで国としてのエネルギー戦略立てたうえで、どのようにバランスさせるか?と言うことだと思うんですが。
自然のエネルギーを活用には、それなりのハードルがありますね。特にコスト面は大きなハードルです。そのコストの値打ちをきちっと評価して国として方針を出さなければハードルを越えるのは難しいと思います。
この種の問題は考え方しだいなのでしょう。エネルギー資源の輸入量は削減できるのであれば国内発生コストは気にしない政策もあり得るかもしれません。スペインの人は単純なコスト比較よりは高次元の判断をしているのかな。?
いずれにしても自然エネルギー開発には力を入れています。
初めまして。
長崎ではよく見かけていたので調べてみたら、長崎県には16ヶ所ありました。
五島では、これの真下で記念写真を撮りました。
風がとても強かったのは覚えていますが、騒音はあまり覚えていません。。
震災後、風力発電が注目され、私もこのように自然エネルギーがもっと利用されればいいなぁと思っていました。
勉強になりました。
データを集め、まとめてくださり、ありがとうございました。
長崎に16ケ所もあるのですね。自然エネルギーの活用は是非とも増してほしいと思います。
調べたデーターを見ていただけてうれしいです。最新のデーターを探して掲載いた甲斐がありました。miyumiyuさんの記事拝見いたしました。桜が咲き始めたのですね。今日は私の近くでは強風でした
お見事です!
ありがとうございます。最新のデータを探すのにすこし時間がかかりました。見やすいグラフにできたでしょうか。
日本の現実が気になったので1994年からの日本の推移を追加いたしました。今の政策のままだと頭打ちだということがグラフから見えてきます。政策変更が必要ですね。
昨日は、電車が止まるほどの強風でしたね。風力発電もフル稼働だったと思います。昨日は関西から姪っ子2名と、そのお母さんが家に来たのでにぎやかでした。明日から2名が就職です。寮の話題でいっぱいでした。
でも研究が進めばなにかいい方法の風力発電が出来ると思います。
確かに羽(ブレード)の先端までは大きいものだと約200mになり落雷しそうです。
個人ブログとは思えない内容ですね(笑)
日本では気候、騒音等問題はありますが
こういった取り組みを通してエネルギーの問題と
向き合えるいい機会でした。
最初は空からの写真だけのつもりでしたが、調べて行くうちにエスカレートしてしまいました。(笑)
おかげで自分でもいい勉強になりました。
以前発電機のブレードが発する低周波が周辺に影響を与えると云う話を聞きましたが、そう云う事も有って山の中なんでしょうかね?
飛行機が高度を下げたところで海辺なんかにあるのは見かけますが、尾根は注意してなかったです。結構音がうるさいと聞いたので、尾根ならいいですね。でも日本は狭いから~
人家からは離れた場所でした。これくらい離れていたら問題はなさそうです。
日本の尾根の場合は輸送が問題だと思います。50m長さのブレードを運ぶための道を作るところから始める必要がありますね。
すごい数ですね。
昔なら「扇風機だ!」って騒いでます(笑)
電力不足に困ってなさそうですね。
まさに「一日にしてならず」の見本のような感じです。日本の場合でも1900基以上ですから本当にすごい数です。
毎年、建設を続けてきてここまでの発電量になったのだと思います。
風力発電が置かれている場所、山の上なんですね。
こんなに場所に~ってビックリしました。
風を受けるのはもってこいの場所だと思いますが、
故障してしまった時は修理がって思いますね。
日本でももっと、風力発電をと思います。
沢山のコメントありがとうございました。
いい機会なので最新のデーターを調べてみました。世界ではすごい勢いです。
風の通り道が明確でなく、安定した発電が出来ないというのも
あるようです。
ブレードが50m近くありますから、高高度からでも
はっきりと風車が見えますね。
確かに地形から考えたら複雑だし風邪も頻繁に方向が変わりますね。洋上発電が注目される理由の一つなのでしょうね。ヨーロッパは大きい風車が多いですね。
景色の美観が人工物で損なうのが、チョットいやですね。
まぁ、仕方がないのかな?
私は自然エネルギーをもっと推進して欲しいと思っているので
スペインの例は日本の参考になると思います。
確かに自然の景観を壊してしまいます。確かにオランダ風車の趣はありませんね。
世界はこんなにも風力発電を設置していることを知りました。確かに素晴らしいことだと思います。特別に高い価格で電気を買い取るなどの国の方針で実現しています。
わが家の近くでも空き地に太陽光発電パネルを並べたところを2ケ所も見つけました。
とても勉強になりました。
知って関心を持つことも必要なんですね☆
驚くほどの数だったので調べたくなりました。調べるといつまでも残るのでいいですね。
人類又は人類の住める環境の
寿命を大きく伸ばせそうですよね^^;
太古の財産である化石燃料を使わないで今太陽から降り注いでいるエネルギーだけですごせたらどんなにいいでしょうね。
日本の一人あたりの設備容量は世界で24位です。スペインが一人当たり470ワットに対して日本は23.5分の1で、20ワットです。これはさすがに少ないです。
いつかテレビで見たのですが、日本の風力発電のメンテナンスの人の昼飯を映していて、塔の上、絶景の中食べる弁当はうまそうでした。でもいったん上ると一日上にいるらしいので、メンテナンスはコストもかかるんでしょうね。
風力発電のタワーに上ってお弁当を食べてみたいですね。でもエレベーターはないと思うので無理かもしれません。
40.8%の時の風力発電量は986万KWでスペインの原子力発電は約800万KWなので原子力発電がフル稼働だと電力調整は厳しかったかもしれません。ただしスペインはとフランス間で電力融通(購入153億KWh/年 売り11億KWh/年)を行っているので電力を無駄に捨てることはなかったような気がします。
大陸でつながれているのはいいですね。周波数も一緒だし。同じ国で2種類の周波数がある国もあるのに、羨ましいです。
あくまでも想像ですが、もしかしたら買ってる電力が多いのも風力発電に力を入れている要因の一つになっているのかもしれません。