2014年10月24日

スパース・ナ・クラヴィー聖堂

写真の上のカーソルがの場合はクリックすると拡大します。
クリックすると拡大
ロシアのサンクトペテルブルグのネフスキー大通りを散策しているとカザン聖堂や旧シンガーミシン社のビルのあたりから色鮮やかな教会が見えました。それが血の聖堂と呼ばれているスパース・ナ・クラヴィー聖堂です。運河沿いにあり遠くからすぐにわかる場所にでした。さっそく運河沿いに歩いて見に行くことにしました。掲載している写真はすべてクリックすると拡大します。

スパース・ナ・クラヴィー聖堂(Храм Спаса на Крови)は血の上の救世主教会と呼ばれるロシア、サンクト・ペテルブルクにあるロシア正教会の聖堂である。公式名は、ハリストス復活大聖堂(Собор Воскресения Христова)です。
血の上の救世主教会の名称は、1881年3月13日(ユリウス暦3月1日)のロシア皇帝アレクサンドル2世暗殺によるもので、教会が建つ場所は、皇帝遭難の地であります。横のグリバエードフ運河(グリボエードフ運河 Griboedov Canal)に映えた教会で近づいてくると迫力があります。
クリックすると拡大

この教会の特徴は玉ネギの形をした屋根です。それも違った色彩に飾られています。サンクトペテルブルグの町の建物はバロック様式の物が大半ですが、それとは違った異国を感じさせられるものでした。この教会の建築はロマンチックなロシア・ナショナリズム、中世のロシア建築の影響を色濃く受けていてモスクのような雰囲気を感じさせてくれていました。
クリックすると拡大

下から見上げた構図です。ピョートル大帝以来、西欧化を推進してきたロシアにおいては、建築においても伝統的なロシア様式が否定され、ヨーロッパの建築様式が主流となっていた。その西欧化を体現してきたともいうべき都市ペテルブルクにおいてさえ、聖ワシリイ大聖堂のようなロシアを象徴する建築が無意識的に望まれてできたと考えられるそうです。 その一方で、聖ワシリイ大聖堂と比較すると、全体の構成のより自由な点や優美さなどはモスクワに代表されるロシア的なものとは異質であり、やはり、ペテルブルクの建築であるとの評価があります。
クリックすると拡大

血の上の救世主教会は、アレクサンドル2世の暗殺というロマノフ家にとっての悲劇がきっかけになって建立された建築物である。クリックすると拡大このため、『聖書』の中から悲劇的な要素の強い主題とした面積7500平方メートル以上のモザイク画によって壁面が装飾されています。その一方で、教会は無数のトパーズ、青金石(ラピスラズリの原料)および他の半貴石で飾られています。
イコノスタシスは、ヴィクトル・ヴァスネツォーフ(Viktor Vasnetsov)、ミハイル・ネステロフ(Mikhail Nesterov)、(ミハイル・ヴルーベリ)らを含む当時のロシア最高の芸術家たちによって設計されました。主任設計士はアルフレッド・アレクサンドロヴィチ・パルランド(Alfred Alexandrovich Parland)ですか、ロシアにおいてもほとんど知られていないそうです。

教会の外側にキリストの像が配置されているのも珍しい気がしました。
クリックすると拡大

北側から見た教会です。観光バスが移動するのを待って写真を撮りたかったけれども、結局はここにいる間にバスが移動することはありませんでした。
クリックすると拡大

ネフスキー大通り入口から教会を望んだ構図です。このあたりは車が渋滞している場所でした。
クリックすると拡大

北側の道路を挟んだ隣接した小さな聖堂と思われる建物ですが、似た雰囲気のデザインが一部使われていました。
Googleのストリートビューで同じ構図がありました。→ポチッ
クリックしてオリジナルを表示させてNの文字をドラッグして回すと360度の景色が見ることが出来ます。
クリックすると拡大

航空写真で位置関係を確認しました。航空写真の中で「血の上の救世主教会」Спас на Крови と書かれているのがスパース・ナ・クラヴィー聖堂です。
小さな聖堂と思われる建物は道路を挟んでスパース・ナ・クラヴィー聖堂の北側(上側)にあります。その建物には「ムゼイ・カムニャ」Музей камня とかかれています。こちらの航空写真でも観光バスが並んでいます。観光バスの停車場所なのですね。

地図でサンクトぺテルブルグの場所を紹介します。レニングラードと呼んだ方がピント来る方もおられると思います。サンクトペテルブルグは、かつてのロシア帝国の首都で、その時代もサンクトペテルブルグと呼ばれていましたが、1914~1924年の間はペトログラードとよばれ、1924~1991年の間はレニングラードと呼ばれていました。ソ連崩壊を受けて、1991年に住民投票により、ロシア帝国時代の現在の名称に再び戻ったそうです。ロシアで訪れた町にもマークをいたしました。
  サンクトペテルブルグ
  モスクワ
  ノヴォシビルスク
  スタールイ・オスコル
  ミハイロフ
  スランツェ

より大きな地図で サンクトぺテルブルグ を表示
posted by SORI at 21:41| Comment(40) | TrackBack(3) | ロシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
是非訪れたい場所ですね(*^_^*)
Posted by ピカチュウ at 2010年07月12日 22:27
Russia、彷徨えるスラブ民族の地に華麗な建築物。素敵ですね!
Posted by 茶の間おじさん at 2010年07月13日 00:04
お城のような教会で、ほぼEuropeな建造物ですね。
Posted by Live at 2010年07月13日 02:21
ピカチュウさん おはようございます。
ヨーロッパとは違う異国の雰囲気が漂う建物でした。スフスキー大通りから見ると小さいけれど、非常に目立っていました。
Posted by SORI at 2010年07月13日 06:26
茶の間おじさんさん おはようございます。
運河が横にあると、よりきれいに見えます。遠くから見通せるのもいいですね。
Posted by SORI at 2010年07月13日 06:29
Liveさん おはようございます。
対称ではない不思議な雰囲気のある建物でした。屋根の玉ネギの部分のデザインも違っているのも興味を惹かれます。
Posted by SORI at 2010年07月13日 06:33
名前がすごいですね血の上の救世主教会って
御茶ノ水だったかにロシア正教会ありますよね
マミーのお家の近くにはイスラム教のモスクがあるんですよ
あっ!それから「ロシアの車」でマミーがコメントしたのは
ロシアの車ではなくフォルクスワーゲンのバンにSORIさんがアップなさった
ロシアの車が似ているってことです^^ヾ
Posted by terrybear at 2010年07月13日 10:00
色とりどりの玉ねぎ屋根を見るとロシア!という感じがしますね。あの形状と色合いにはどんな意味があるのでしょう?
Posted by nyankome at 2010年07月13日 18:33
たまげました。こんなすごい建物が教会だなんて!
圧巻ですね~。 この建物の中は上の方に行くと
どうなってるんでしょう。入ってみたいです。
Posted by ラッキーストライク at 2010年07月13日 19:25
terrybearさん こんにちは
VWの古い丸目のバナゴンを検索しました。出てきた写真を記事に追加掲載させてもらいました。
これですか。
        ↓
http://makkurokurosk.blog.so-net.ne.jp/2010-07-11-1#more

大聖堂のロシア語のХрам Спаса на Кровиの名前をGoogleの言語ツールで翻訳すると「教会こぼれた血の上の私たちの救い主の」と出てきました。まさに「血の上の救世主教会」でした。ほんとすごい名前がつけられたものですね。
http://translate.google.co.jp/translate_t?hl=&ie=UTF-8&text=%D0%A5%D1%80%D0%B0%D0%BC+%D0%A1%D0%BF%D0%B0%D1%81%D0%B0+%D0%BD%D0%B0+%D0%9A%D1%80%D0%BE%D0%B2%D0%B8&sl=ru&tl=ja#
Posted by SORI at 2010年07月13日 20:23
nyankomeさん こんばんは
これがロシアのデザインです。ロシア正教である証のような建物でした。
Posted by SORI at 2010年07月13日 20:28
ラッキーストライクさん こんばんは
建物の中は外よりも、もっと飾られているそうです。血の教会の雰囲気が漂っているそうです。見てみたかったです。
Posted by SORI at 2010年07月13日 20:39
こんばんわ!ご訪問&niceありがとうございました~。
と、思ったら、行き成りロシア・・・懐かしいです。もうずいぶん行っていません。
Posted by minK at 2010年07月13日 21:52
minKさん こんばんは
さっそくのコメントありがとうございました。この回、ロイアは初めての訪問でした。短かったけれども、いい経験が出来ました。
Posted by SORI at 2010年07月13日 22:02
いつか、ロシア絶対行きたいって思っています!
美術館もだけど、、、つぼ焼きとかボルシチなんかのロシア料理も食べに行きたいです!
Posted by ももか at 2010年07月13日 22:25
ももかさん こんばんは
今の季節が、一番いいと思います。 白夜が味わえるかも知れません。このときも、夜中の0時でも真っ暗にはなりませんでした。やっぱり土地の食べ物ですね。
Posted by SORI at 2010年07月13日 23:40
そうです、そうです♪この型のをバナゴンって言っているんです
Posted by terrybear at 2010年07月14日 14:30
terrybearさん こんばんは
名前は知らなかったけれども、私も見たことがあります。なかなかインパクトのあるデザインですね。47年前のデザインだから当然と言えば当然ですね。
Posted by SORI at 2010年07月14日 19:09
パルナスのCMを思い出しました。
あ、あれはモスクワでしたね。
Posted by hayama55 at 2010年07月15日 07:13
hayama55さん こんばんは
モスクワの味、パルナスのピロシキですね。懐かしいです。今回はピロシキは食べれませんでした。
Posted by SORI at 2010年07月16日 23:42
典型的なロシア正教の建築ですね。胃にもたれるようなコッテリした装飾と、東方文明の影響によるタマネギ屋根がタマラナイです!!(褒め言葉)街の中でも圧倒的な存在感なんですね。
Posted by opas10 at 2010年07月17日 12:13
opas10さん こんにちは
ほんと、目立っていました。東洋の雰囲気のある不思議な建物でした。この町には沢山のすばらしい建物がありました。
Posted by SORI at 2010年07月17日 12:30
絵本の挿絵に出てきそうな、素敵な建物ですね。
ロシアも見てみたい建物が沢山あるんですよね。
Posted by youzi at 2010年07月17日 22:14
youziさん こんばんは
サントペテルブルグをあこがれている人が沢山いました。それだけ人気があるのでしょうね。
Posted by SORI at 2010年07月17日 22:20
2008年6月にサンクトペテルブルグに2日滞在しました。
観光バスを降りて、たった10分間のカメラタイムでしたが、血の上の救世主教会を取り囲むフェンスの美しさに魅せられて、2枚目の油絵を描いています。自分で撮った2~3枚の写真を元に、周囲の景観をgoogle Earthで探索していますが、道を挟んだ前の6角形の建物の名前を調べていて、ここへ辿り着きました。聖堂のようにも見えますが、お分かりでしたら教えて下さい。昨日までこの大聖堂の門塀だと思っていましたが、間を道路が走っていますので、このソフトクリームのような柱はミハイロフスキー公園の塀にも見えます。◆サンクトペテルブルグの「100年前の美しい教会」と検索してみて下さい。
美しいタワーが写っています。私は74才のお婆ちゃんです。
突然の訪問をお許し下さいネ。
Posted by k.katsukawa at 2012年04月19日 00:31
k.katsukawaさん こんにちは
サンクトペテルブルグに行かれた方からのコメントうれしいです。ありがとうございます。
残念ながら六角形の建物の名前はわかりませんが聖堂に間違いないと思います。ロシアでは大きな教会の近くに小さな聖堂をよく見かけました。
ソフトクリームのような柱は特徴的ですね。

http://makkurokurosk.blog.so-net.ne.jp/2011-06-03-1
http://makkurokurosk.blog.so-net.ne.jp/2011-06-08
Posted by SORI at 2012年04月19日 12:44
またお訪ねしました、今日は5月晴れで快適な1日でした。
お元気にご活躍されていますか。
上の6角形のドームの聖堂の名前が分かりました。Pietroburgo,cappella dietro la chiesadella...です。
ミハイロフスキー公園の入り口から見た血の上の救世主教会を
描いた横に、これからこの教会を描きます。
今月中に仕上げなければ、間に合いません。では又
Posted by k.katsukawa at 2012年04月24日 22:22
k.katsukawa さん こんばんは
訪問ありがとうございます。6角形のドームの聖堂の名前ありがとうございます。あれから調べられたのですね。これらを絵されるとはすばらしいです。
確かに下記の写真の中に公園沿いのソフトクリームのような柱の塀が少しだけ写っています。
http://makkurokurosk.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_003/makurokurosk/IMG_0004-960.jpg
Posted by SORI at 2012年04月25日 00:15
先程は失礼いたしました。聖堂の名前だと早とちりしました。
よく読んだら、「サンクトペテルブルグの聖堂」ということでした。
笑ってしまいました。ゴメンナサイ
サンクトペテルブルグのサンピエトロ寺院と言えばサガン聖堂の
ことらしいですね。
Posted by k.katsukawa at 2012年04月25日 00:21
k.katsukawaさん こんばんは
訂正コメントありがとうございます。
それにしても、空から見ると素晴らしい公園ですね。
Posted by SORI at 2012年04月25日 00:35
中東の影響があるんでしょうか?
カラフルですね。
Posted by サンダーソニア at 2014年10月30日 09:45
サンダーソニアさん おはようございます。
ロシア正教の独特の屋根の形不思議です。いろんなカラフルな模様があるのも特徴です。ほんと、どんな歴史からこのような形になったのでしょうね。
Posted by SORI at 2014年10月30日 11:23
スパース・ナ・クラヴィー聖堂、遊園地にありそうな雰囲気ですね。
Posted by koni at 2014年10月30日 13:25
血の教会を訪れてから そろそろ10年が経つと思いますが
ただ行って見てきただけのような気がします
SORIさんのきちんとした説明や写真を見て良い勉強をさせていただきました 有難うございました
Posted by きんれん花 at 2014年10月30日 15:15
koniさん こんにちは
確かに屋根の形は違いますがカラフルなところがディズニーランドのシンデレラ城を思い出します。
Posted by SORI at 2014年10月30日 17:17
きんれん花さん こんにちは
10年前に行かれたことがあるのですね。美しい町でした。ロシアのパリというイメージだったです。
Posted by SORI at 2014年10月30日 17:21
ロシアの聖堂。。いつも思いますが、
アラビアンナイトのような雰囲気です。
空飛ぶ絨毯が出てきそうな雰囲気。。(^_^)
Posted by なんだかなぁ〜!! 横 濱男 at 2014年10月30日 21:57
青く透き通った空の色と建造物のマッチングが素晴らしいです
Posted by ake_i at 2014年10月30日 22:08
なんだかなぁ〜!! 横 濱男さん こんばんは
確かに空飛ぶ絨毯が似合いそうです。おとぎの国のような色合いの教会でした。
Posted by SORI at 2014年10月30日 23:09
ake_iさん こんばんは
すばらしい空の色でした。太陽の光を受けて建物の色も一段と鮮やかでした。
Posted by SORI at 2014年10月30日 23:12
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック

グリボエードフ運河で水上バイク
Excerpt: ロシアのサンクトペテルブルグから帰国(2010年7月2日)して一週間が経ちました。 昨日は50年前と変わらないスタイルで今でも売られているロシアの車を紹介しましたが、対照的な乗り物を紹介いたします。 ..
Weblog: まっくろクロスケ
Tracked: 2010-07-13 06:53

『いつかモイカ河の橋の上で』 中野吉宏 著 (第三書館)
Excerpt: 副題は「会社を休んで59日間 地球一周」とある。  大学を出てフリーターをしながらお金を貯め小さな会社をつくった30代後半の男。一生懸命働くものの不景気も手伝い気持ちは空回り。ちょっとした出来事がき..
Weblog: エルミタージュ図書館
Tracked: 2010-07-30 23:48

カザフスタンの教会
Excerpt: 写真の上のカーソルがの場合はクリックすると拡大します。 カザフスタンのモスクを紹介したら教会も紹介しなければなりませんね。紹介したアクトベの中央モスク(Central Mosque)の敷地と道路を挟..
Weblog: まっくろクロスケ
Tracked: 2011-07-30 08:08
Seesaaブログのコメント設定について・・・
1 コメント入力に関する設定 →ポチッ
2 コメントリスト         ポチッ
3
昨日の記事ランキング
    先週(月~日)の記事ランキング
      先月の記事ランキング