




前記事の「手巻き寿司」と、父の日の「プレゼント」の記事で「本シシャモ」を紹介しましたので、比較のために家の近くのディスカウント・スーパーで通称「ししゃも」と呼ばれているカラフトししゃもを買ってみました。
左が本シシヤモで右がカラフトシシャモです。
北海道で安く売られていることで有名なお店でも、本ししゃもが1980円(10匹)だったのに対してカラフトししゃもは178円(10匹)でした。
シシャモである通称「本ししゃも」は世界中でも北海道の太平洋沿岸の一部でしか獲れない上に、漁獲高が減少したために、今回紹介するカラフトシシャモやキュウリウオが、シシャモの代用品として1970年代から売られるようになりましたが、代用品の方が圧倒的に流通量が多いことから、今ではカラフトシシャモやキュウリウオがシシャモと呼ばれ、本来のシシャモは本シシャモと呼ばれるようになったそうです。
本シシャモと他の通称シシャモの分類上の違いを紹介します。
本シシャモは鮭のように、川に遡上して産卵しますが、カラフトシシャモは川には遡上せずに海の浅瀬で産卵するそうです。キュウリウオは川に遡上して産卵するそうです。
通称 | : | 本ししゃも | ししゃも | |||
界 | : | 動物界 | Animalia | 動物界 | Animalia | |
門 | : | 脊索動物門 | Chordata | 脊索動物門 | Chordata | |
亜門 | : | 脊椎動物亜門 | Vertebrata | 脊椎動物亜門 | Vertebrata | |
綱 | : | 条鰭綱 | Actinopterygii | 条鰭綱 | Actinopterygii | |
目 | : | キュウリウオ目 | Osmeriformes | キュウリウオ目 | Osmeriformes | |
科 | : | キュウリウオ科 | Osmeridae | キュウリウオ科 | Osmeridae | |
属 | : | シシャモ属 | Spirinchus | カラフトシシャモ属 | Mallotus | |
種 | : | シシャモ | S. lanceolatus | カラフトシシャモ | M. villosus | |
英名 | : | シシャモ | Shishamo | カペリン | Capelin | |
産卵 | : | 川に遡上 (10月~12月) | 海の浅瀬 (春から初夏) | |||
属 | : | キュウリウオ属 | Osmerus | |||
種 | : | O. mordax | ||||
亜種 | : | キュウリウオ | O. m. dentex | |||
英名 | : | Arctic rainbow smelt | ||||
産卵 | : | 川に遡上 (4月下旬~5月下旬) |

こちらが178円(10匹)のカラフトシシャモです。この日は特売で特別に安く178円でしたが通常は200円~300円の間だったと思います。Wikipediaでのカラフトシシャモの記載内容の一部を枠内に転記いたします。今回は商品名で「カラフトししゃも」と書かれていることから良心的な商品と言えます。
食味は本ししゃもと大きく異なるが、姿は両者とも非常に似ており漁師以外は外見だけで見分けるのが困難なこと、本シシャモの味を知らない人が多いことを利用し食品偽装の引き金になることがある。2003年の農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律改訂にともなう販売表示の厳格化を受けた行政指導により、原材料名にはカラフトシシャモと表記される様になったが、商品名は対象外。

本シシャモと比べる機会がなければ、確かにシシャモでした。

卵も沢山入っていました。本シシャモでなくても子持ちシシャモは美味しかったです。

子持ちシシャモ(カラフトししゃも)は純米大吟醸でいただきました。

この日のメインデッシャはカレイの煮付けでした。

オクラを混ぜるのは私の役目です。

定番のサラダはアボガトサラダでした。

味噌汁も用意してもらいました。

FAOのデーターから1950年~2014年のカラフトシシャモ(カペリン)の世界の漁獲量のグラフを作ってみました。他の漁業資源同様にカラフトシシャモも、乱獲のために漁獲量は急速に減ったようです。クリックするとFAOのオリジナルデーターを表示します。最高漁獲量であった1977年は4,008,746トン/年でした。2014年は282,833トン/年で1977年の7.06%です。日本人がシシャモの代用品としてカラフトシシャモを食べ始めた1970年代に漁獲量が増えたのは偶然ではない気がします。

比較のために本シシャモの大きな写真も掲載いたします。こちらが北海道で買ったシシャモ(通称:本ししゃも)です。味や食感は別物ですが、値段差から特別の時にしか食べれないと感じました。

こちらが焼きあがった本シシャモの写真です。父の日のプレゼントとして送ってもらった本シシャモをガスオーブンで焼きました。シシャモの名前はアイヌ語のsusam(スサム / 楊の葉)に由来するそうです。シシャモに関するアイヌ民族の伝説ではシシャモには複数の種類があったそうです。

やはり本物のシシャモは、卵で膨らんだおなかの張りは最高でした。本シシャモは北海道勇払郡むかわ町の町魚だそうです。本シシャモが北海道の太平洋沖にしか回遊しない詳しい生態は未だ謎のままだそうです。

全てのシシャモはぎっしりと卵が入っていました。このようなシシャモを食べたのは久しぶりでした。シシャモに近いのがワカサギです。ワカサキの分類は次の通りです。本シシャモやカラフトシシャモと同じキュウリウオ目キュウリウオ科の魚です。

科:キュウリウオ科 Osmeridae
属:ワカサギ属 Hypomesus
種:ワカサギ H. nipponensis
英名: Japanese smelt 又は Wakasagi smelt

本シシャモのグラフも作りたかったけれどもデーターが見つからなかったので、釧路市漁業協同組合さんのホームページに掲載されていたグラフを転用させていただきました。クリックすると転用先の記事を表示します。カラフトシシャモの漁獲量に比べると少ない量ですが、本シシャモの漁獲量が安定しているのは、資源保護対策のふ化事業が長年行われてきたためだと思います。
1989年~2003年の本シシャモの平均漁獲量が約1,300トン/年なのに対してカラフトシシャモは1,330,279トン/年と約1000倍です。

本シシャモの漁場近くの漁港にマークを入れてみました。左方向から胆振~鵡川~日高~十勝~釧路です。マークの漁港が本シシャモを取り扱っているかどうかは未確認なのでエリアとお考え下さい。