


ルーブル美術館の絵画のエリアで下記の①と②の2つの光景をを紹介しました。ルーブル美術館の特徴が絵画を模写している光景に沢山出会えることなのです。他の美術館では、あまり見かけない風景です。上の写真は美術学校の学生たちが絵をスケッチしているところです。学生と判断したのは先生と思われる年齢の使途が指導していたからです。キャンバスはまだ真っ白で、書き始めたばかりのようでした。
① モナリザのあるエリア
② 歴史を感じるエリア
③ 模写の光景(今回の記事)
こちらは本格的に絵画を模写していました。朝の段階なので、この日に書き始めたとは考えられないことから、模写は何日もかけて行われていると思われました。左側の風景画を模写していました。

こちらでは女性画を模写していました。本格的な模写を行っているのはルーブル美術館でも特に静かなエリアで沢山見かけました。調べてみた結果、日本人が模写をするためには次の手順を踏むことで出来るそうです。
① 模写したい絵の希望をルーヴル美術館に伝える。
② ダメな場合は美術館の提案の中から選択する。
③ 日本大使館の推薦書と無犯罪証明書を入手する。
④ 許可されたら模写の出来る時間帯に行って模写する。
模写時間 月曜~金曜 9:00~13:30 (土日祝日は不可)
模写期間 一つの絵で3ケ月以内
模写料金 無料
その他 イーゼル(画架)と椅子とロッカーは借用可

このように静かなエリアではグループでスケッチをしに来ている人も沢山見かけました。

スケッチをしに来ている人たちは、一日だけなのだと感じました。家に戻って絵を描くのかもしれません。あるいは単なる勉強会なのかもしれません。

模写やスケッチが行われているすでに紹介したように静かなエリアです。本記事では、その静かなエリアに展示されていた雰囲気や絵画を紹介したいと思います。ここは偶然見つけた階段を登ってきた3階ノエリアです。もしかしたら見逃していたかもしれないエリアですが、見事な絵が並んでしました。

静かな雰囲気を感じてもらうためにエリアの写真を紹介します。

すでに紹介した2つの記事では大きな絵画ばかりを紹介しましたが、普通のサイズの絵が沢山展示されていました。

気になった絵があったので写真を特別に撮りました。アントワーヌ=ジャン・グロ(Antoine-Jean Gros)が描いたアルコレの戦いの絵です。描かれている人物はナポレオンです。1796年11月15~17日に行われたアルコレの戦いは、フランス革命戦争の戦闘の1つで、北イタリアのヴェローナに程近いアルコレ沼沢地周辺で、ナポレオン・ボナパルト率いるフランス軍が、ヨーゼフ・アルヴィンツィ率いるオーストリア軍を破った戦いです。ドラマティックな効果を狙って、フランス軍がアルコレ橋を渡る際の戦闘が特に取り上げられています。
作者 Antoine-Jean GROS 1771年~1835年
作品 Bonaparte au pont d'Arcole 1796年12月15日
アルコレ橋上のナポレオン

他にも見事な絵が沢山ありました。

同じエリアですが、大きな部屋もありました。ゆっくりと鑑賞できるように部屋の真ん中にはベンチが置かれていました。

ルーブル美術館では小さいサイズになる絵も沢山ありました。


いろんな絵があることから沢山の作者の絵が展示されていたのだと思います。

不思議な雰囲気の絵もありました。

初期フランドル派の画家ヘールトヘンである・トット・シント・ヤンスが「ラザロの復活」を描いた作品です。
作者 Geertgen tot Sint Jans 1465年頃~1495年頃
作品 La Résurrection de Lazare (The Raising of Lazarus)

不思議な肖像画が沢山並んだエリアもありました。

見たことがある絵だったので撮りました。作者は不明ですがフォンテーヌブロー派の画家です。フォンテーヌブロー派ははフランス・ルネサンス期に宮廷で活躍した画家のグループですが、名の伝わらない画家が多いそうです。写真の絵は16世紀末の絵画「ガブリエル・デストレとその妹ビヤール公爵夫人」で、左の女性が右の女性の乳首をつまんでいる官能的なテーマでフォンテーヌブロー派を象徴していることから様々に引用されて有名な作品ですが、やはり筆者は不明なのです。
作者 École de Fontainebleau フォンテーヌブロー派
作品 Portrait Présumé de Gabrielle d'Estrées
ガブリエル・デストレとその妹ビヤール公爵夫人

こちらも静かに鑑賞できる空間でした。

こちらは大きな絵が多くありました。

こちらはウスターシュ・ル・シュウール(Eustache Le Sueur)の作品です。ル・シュウールの作品としては、これ以外に、ガニュメデスの誘拐、キリスト降架、受胎告知がルーブル美術館にあるそうです。
作者 Eustache Le Sueur 1616年~1655年
作品 La Prédication de saint Paul à Éphèse 1649年
エフェソスでの聖ペテロの説教

不思議な雰囲気の絵画でした。
地域 PROVENCE
作品 Le Retable de Thouzon

このプロヴァンス派の傑作は、長い間作者不詳でしたが、同じ場所にあるカルトジオ会修道院のために、1453~1454年頃に描かれた聖母戴冠の作者アンゲラン・カルトンの作と特定されたそうです。
作者 Enguerrand QUARTON
作品 La Pietà de Villeneuve-lès-Avignon 1455年
ヴィルヌーヴ=レ=ザヴィニョンのピエタ

今回のルーブル美術館の訪問の10年5ケ月前の2005年12月1日にルーブル美術館に来たときも模写をしている人を沢山見かけました。その時の模写をしている光景を3枚紹介します。

これは、かなりの大作です。正面の絵ではなく右の壁の絵を模写しています。

絵の勉強をしているのでしょうね。
コーナーに近いところの小さな絵を模写されています。
