



その遊歩道で胞子囊穗(ほうしのうほ / 胞子のう穗)を出しているヒカゲノカズラ(日蔭の蔓)を見ることができました。
これが、胞子囊穗を出しているヒカゲノカズラです。
ヒカゲノカズラは、ヒカゲノカズラ植物門に属する代表的な植物でで蘿(かげ)という別称もあります。広義のシダ植物ですが、巨大なコケの雰囲気を漂わせています。

上の写真の一部を拡大いたしました。クリックするとさらに拡大いたします。
カズラという名で、つる状ですが、他の植物の上に這い上ることはなく、地表をはい回っています。針状の細い葉が茎に一面に生えているので、細長いブラシのような姿です。茎には主茎と側枝の区別があります。主茎は細長くて硬く、匍匐茎となって二又分枝しながら地表を這ってます。所々から根を出し、茎を地上に固定しています。表面には一面に線形の葉が着いていますが、葉はほぼ開出しているので、スギゴケなどのような感じになっています。側枝は短くて、数回枝分かれをし、その全体にやや密に葉をつけます。
界 : 植物界 Plantae
門 : ヒカゲノカズラ植物門 Lycopodiophyta
綱 : ヒカゲノカズラ綱 Lycopodiopsida
目 : ヒカゲノカズラ目 Lycopodiales
科 : ヒカゲノカズラ科 Lycopodiaceae
属 : ヒカゲノカズラ属 Lycopodium
種 : ヒカゲノカズラ Lycopodium clavatum

こちらが胞子囊穗です。まだ硬く胞子はまだ出していないようでした。胞子囊穗は胞子囊を抱えた鱗片状の胞子葉が密生したもので、直立し、薄い緑色でした。胞子は石松子と呼ばれ、丸薬の衣やリンゴの人工授粉の際の花粉の増量剤として使われるそうです。湿気を吸収しないことが利点で、傷に塗って血止めとした例もあるそうです。

こちらは別の種類のヒカゲノカズラのようです。
ヒカゲノカズラ科には「ひかげのかずら」 「みやまひかげのかずら」 「たかねひかげのかずら」 「あさひかずら」 「みずすぎ」 「まんねんすぎ」 「すぎかずら」 「とうげしば」 「すぎらん」 「やちすぎらん」 「ひめすぎらん」 「こすぎらん」 「ひもらん」 「なんかくらん」などの種類があります。

同じような場所には胞子で増える代表格であるキノコも沢山ありました。

このように可愛らしい真っ赤なキノコもありました。
